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スーさんの魔法の筆から繰り出される言葉の数々に、してやられる快感

スーさんの魔法の筆から繰り出される言葉の数々に、してやられる快感

文:中野信子 (脳科学者)

『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(ジェーン・スー 著)

出典 : #文春文庫
ジャンル : #随筆・コミックエッセイ

『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(ジェーン・スー 著)

 他の人が同じことをしてもあまり響かないのですが、スーさんがそうするとむしろ心地よいのです。まるで、中野さんは脳科学の話なんてしなくても、ちゃんと話が面白い人だよ、無理に理系な説明なんてしようとしなくても、あなたの価値は私が分かっているよ、と言ってくれているような気分になる。まだるっこしいこともきれいごとも嫌いで、それはわかりにくいしきれいごとだよと喝破する知性を持った人だから、遠くにいてもいつでも、必要な時は分かり合えるという安心感をもって接することができる。

 スーさんは、きっと学生時代は同級生の女子たちからモテただろうなあ、という気がします。同性愛という意味合いとはちょっと違うのですが、一クラスに一人、こういう人がいるとすごく学校が楽しかっただろうな、とでもいいますか……。

 私たちが望むと望まざるとにかかわらず使い分けてしまう「甲冑」を、分析してわかりやすく解説してみせるスーさんの魔法の筆から繰り出される言葉の数々に今回もまた、してやられた、という気分です。そしてますます私はスーさんを好きになってしまうのです。

女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。
ジェーン・スー

定価:660円(税込)発売日:2018年11月09日

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