私は子供のころから、「女の子」でいることが苦しかった。「ちゃんとした(女の子らしい)女の子」にならなくてはいけないと思い、小学校高学年から中学生までの思春期の時代は、本当につらかった。大人になって、だいぶ楽になったと思っていた。
だが、こうして34歳のころの自分の文章を読み返すと、「まだまだ苦しんでるなあ」と思う。今よりずっと呪われていて、足搔いている。「ちゃんとしたアラサーの女性」にならなくては、と自分に言い聞かせているように思える。
今、自分が「ちゃんとしたアラフォーの女性」かというと、まったくそんなことはない。むしろこれを書いていた当時よりいろいろ悪化している感じすらする。でも、それでいいのだと思っている。
このエッセイが本になった後、素敵な話を聞いた。エッセイの中で私は自分がピンクを着ることを異様に気にしていたが、ある年配の女性が、とても鮮やかなピンクの服を持っていて、「ピンクはね、まだ私には早いから、今は寝かせているの。もう少し年齢を重ねたら、凄く似合うようになるから」と仰っていたそうだ。自分も、こんな素敵な考え方で生きていきたい。「これ、ちょっと派手だなあ」と仕舞い込んでいる服を、あの服は、もう似合わないのではない、まだ似合わないんだ、と思いながら、未来を楽しみに生きていきたい。
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