2本目の「ワクチンと治療薬」は、2009年の新型インフルエンザのパンデミック（世界的大流行）をはじめ、国の感染症対策の検討・決定過程で中心的役割を担ってきている岡部信彦さん、感染症やウイルスの研究者で今回のウイルスについてもワクチンや治療薬の研究・開発を進めている河岡義裕さん、多くの患者の治療にあたり、治療法や既存の治療薬の効果の研究を進めている大曲貴夫さんに出演していただいた。こちらが本書第2部にあたる。進行はいずれも、作家で感染症についての著書を発表している瀬名秀明さんにお願いした。瀬名さんには、2本の番組収録のあと、改めてこのウイルスにどう向き合うかについて、考えをまとめていただき、第3部とした。番組では私も医療や科学などを担当するNHK解説委員として、基礎的な仕組みの解説と出演者の方々に疑問を投げかける役割をさせていただいた。