- 2020.06.29
- インタビュー・対談
第二の危機は襲来するのか? 日本の英知を傾けて未曽有の脅威に挑む!
中村 幸司 (NHK解説委員)
『ウイルスVS人類』(瀬名 秀明/押谷 仁/五箇 公一/岡部 信彦/河岡 義裕/大曲 貴夫/NHK取材班)
文明と科学の視点から
第1部は、新型コロナウイルスによるこのパンデミックが、私たちに何を突きつけているのか、ウイルスと人類のこれまでの闘いから考える。
人類はこれまでウイルスのパンデミックに何度となく襲われてきた。1918年のスペイン風邪だけでなく、2009年の新型インフルエンザ、そして世界的な流行にはなっていないが、2000年以降、今回と同じコロナウイルスに分類されるウイルスによる感染症、SARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS(中東呼吸器症候群)などである。しかし、こうした感染症の経験がありながら、私たちは今回のコロナウイルスと長期戦を覚悟しなければならないとされているのはなぜなのだろうか、というのが大きな問いの一つだ。
現代は、これまでのパンデミックが起こった時代とは、社会や経済などの状況が異なる。特に大きいのが交通機関の発達などグローバル化の急速な進行である。この現状が感染症のリスクを上げ、対策を困難にしている。グローバル化は、地球規模の温暖化やそれに伴う生態系の変化が投げかけている問題と共通した面がある。海外から侵入してくる外来生物への対策の経験は、新型ウイルスの対策と重なる部分が多いのである。外来生物の思わぬ生存戦略を掘り下げると、感染症の対策に求められる重要な切り口が見えてくる。
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