本書は、これまで新聞や雑誌に寄稿した長短さまざまなエッセーを(全てではありませんが)集めたものです。
依頼される原稿の多くは絵画作品に関したものなので、それを第一章にまとめました。要所、要所に名画も入れたのでお楽しみください。また箸休め(?)として、ところどころに絵とは関係のない短いエッセーも挿入しています。
第二章は日本経済新聞で半年にわたって連載した、身辺雑記を主とした随筆を取り上げました。この連載はけっこう大変でした。なにしろ他はどれも月一ぺースなのに、これは週に一度。あっという間に締め切りがやって来るし、時期がちょうど「怖い絵」展と重なってしまったからです。おまけに私は平凡な日常生活を送っており、なんらドラマティックな出来事など起こらないのですもの(まあ、それが凡人の幸せではあります)。そんなわけで題材さがしには難儀し、高校時代の美貌の友のことや、揺れる飛行機で騒ぐ紳士のことなどを思い出したりして、何とか書きあげました。クスッと笑っていただけたら嬉しいです。
第三章は書評など、本について書いたものをまとめました。そして最後に自著と、それにまつわる虹とトラウマと喜びについて。
それにしても、いつの間にやらずいぶんいろんな媒体にたくさん書いてきたのだなあ、と我ながら驚くばかりです。掲載されたものは切り取ってバインダーに入れていましたが、年月順にも種類別にもしていなかったので、担当の坪田朋子さんにはそうとうお手間をかけてしまいました。丁寧に読みこみ、且つ取捨選択のうえ整理して章立てまで、手際よく編集してくださり、感謝でいっぱいです。
どうぞこの小さな本が多くの方に届きますように。
中野京子
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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