
第1回「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」選考会は、令和3年12月3日、文藝春秋本館にて行われ、下記の通りに決定致しましたので、ご報告させていただきます。
島本理生『2020年の恋人たち』(中央公論新社)
著者プロフィール
島本理生(しまもと・りお)
1983年東京生まれ。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作、03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞、15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞、18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。主な著書に『ナラタージュ』『あられもない祈り』『夏の裁断』『夜 は お し ま い』『星のように離れて雨のように散った』など。
本賞は、大人がじっくり読める質の高い恋愛小説を発掘し、読者の皆様にひろく届けることを目的として創設されました。令和2年10月1日から令和3年9月30日に刊行された単行本の中から、北上次郎、瀧井朝世、吉田伸子の3氏の推薦をもとに候補作5作を決定しました。
本年度の選考委員は、川俣めぐみ氏(紀伊國屋書店横浜店)、大塚真祐子氏(三省堂書店成城店)、山本亮氏(大盛堂書店)、加藤ルカ氏(有隣堂横浜駅西口店)、花田菜々子氏(HMV&BOOKS日比谷コテージ店)の5氏が務めました。
選考の詳細は、「オール讀物」2月号(1月21日発売)に掲載されます。
島本理生さんより
私が東京で生まれ育ったこともあり、いつか東京を舞台にした男女の出会いを書きたいと思っていました。実際に執筆する中で、これは主人公が恋愛を通して生き方を振り返り、もう必要ないものを手放していく物語だと気づきました。これまでの作品の中で一番、改稿に苦労した小説だったので、今回の受賞の知らせはとても嬉しかったです。最終的に、多くの若い女性にとっての恋愛の縮図のような小説になったのではないかと感じています。
第1回「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」候補作
窪美澄『ははのれんあい』(角川書店)
佐々木愛『料理なんて愛なんて』(文藝春秋)
島本理生『2020年の恋人たち』(中央公論新社)
吉川トリコ『余命一年、男をかう』(講談社)
綿矢りさ『オーラの発表会』(集英社)
オール讀物編集長・川田未穂より
『源氏物語』や『万葉集』でも恋愛は文学の重要な要素でしたが、価値観や生活スタイルが多様化する現代において、どのような恋愛小説に人々は魅入られるのか――書店員や書評家の方々とともに「大人の恋愛小説大賞」を発足させました。受賞作だけではなく候補作もふくめ、素晴らしい一冊との出会いが読者の皆さまの心に灯を点すことを願っています。
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