日本文学振興会より、第167回直木三十五賞の候補作が発表されました。選考委員会は、きたる2022年7月20日(水)都内で開催されます。
◆選考委員(五十音順) 浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき
◆正賞:時計 副賞:賞金100万円
候補作品(作者名:五十音順)
河﨑秋子(かわさき あきこ)「絞め殺しの樹」小学館
1979年生まれ。北海学園大学経済学部卒業後、ニュージーランドで1年間緬羊飼育を学ぶ。帰国後、酪農を営む実家で従業員と羊飼いをしながら小説執筆を開始。2012年「東陬遺事(とうすういじ)」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、14年『颶風の王(ぐふうのおう)』で三浦綾子文学賞、16年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞。同年十勝管内に転居し、以後は執筆に専念。20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。
〈作品〉『颶風の王』2015年KADOKAWA刊=三浦綾子文学賞受賞、JRA賞馬事文化賞。『肉弾』17年KADOKAWA刊=第21回大藪春彦賞受賞。『土に贖う』19年集英社刊=第39回新田次郎文学賞受賞、第36回織田作之助賞候補、第33回三島由紀夫賞候補、第11回山田風太郎賞候補。『鳩護』20年徳間書店刊。『鯨の岬』22年集英社文庫刊(「東陬遺事」併録)。
窪美澄(くぼ みすみ)「夜に星を放つ」文藝春秋
1965年生まれ。フリーの編集ライターを経て、2009年「ミクマリ」で、第8回女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞しデビュー。11年受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』で第24回山本周五郎賞を受賞。同作は本屋大賞第2位、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位となる。
〈作品〉『ふがいない僕は空を見た』2010年新潮社刊=第32回野間文芸新人賞候補、第24回山本周五郎賞受賞。『晴天の迷いクジラ』12年新潮社刊=第29回織田作之助賞候補、第3回山田風太郎賞受賞。『クラウドクラスターを愛する方法』同年朝日新聞出版刊。『アニバーサリー』13年新潮社刊。『雨のなまえ』13年光文社刊。『よるのふくらみ』14年新潮社刊。『水やりはいつも深夜だけど』14年KADOKAWA刊。『さよなら、ニルヴァーナ』15年文藝春秋刊。『アカガミ』16年河出書房新社刊。『すみなれたからだで』同年河出書房新社刊。『やめるときも、すこやかなるときも』17年集英社刊。『じっと手を見る』18年幻冬舎刊=第159回直木賞候補。『トリニティ』19年新潮社刊=第161回直木賞候補、第36回織田作之助賞受賞。『いるいないみらい』19年KADOKAWA刊。『たおやかに輪をえがいて』20年中央公論新社刊。『私は女になりたい』20年講談社刊。『ははのれんあい』21年KADOKAWA刊。『朔が満ちる』21年朝日新聞出版刊。『朱より赤く 高岡智照尼の生涯』22年小学館刊。
呉勝浩(ご かつひろ)「爆弾」講談社
1981年生まれ。大阪芸術大学卒。2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞。
〈作品〉『道徳の時間』2015年講談社刊。『白い衝動』17年講談社刊=第20回大藪春彦賞受賞。『ライオン・ブルー』17年KADOKAWA刊=第31回山本周五郎賞候補。『スワン』19年KADOKAWA刊=第41回吉川英治文学新人賞受賞、第73回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞、第162回直木賞候補。『おれたちの歌をうたえ』21年文藝春秋刊=第165回直木賞候補。
永井紗耶子(ながい さやこ)「女人入眼(にょにんじゅげん)」中央公論新社
1977年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2010年『絡繰り心中』で第11回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー(単行本は『恋の手本となりにけり』と改題し同年小学館刊)
〈作品〉『恋の手本となりにけり』2010年小学館刊、『絡繰り心中 部屋住み遠山金四郎』と改題の上14年小学館文庫刊。『旅立ち寿ぎ申し候』12年小学館刊、『福を届けよ 日本橋紙問屋商い心得』と改題の上16年小学館文庫刊。『帝都東京華族少女』14年幻冬舎文庫刊、のち加筆修正の上『華に影 令嬢は帝都に謎を追う』と改題し21年双葉文庫刊。『広岡浅子という生き方』15年洋泉社刊。『横濱王』15年小学館刊。『大奥づとめ』18年新潮社刊、『大奥づとめ よろずおつとめ申し候』と改題し21年新潮文庫刊。『商う狼 江戸商人杉本茂十郎』20年新潮社刊=第40回新田次郎文学賞受賞、第10回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞、第3回細谷正充賞受賞、第27回中山義秀文学賞候補。
深緑野分(ふかみどり のわき)「スタッフロール」 文藝春秋
1983年生まれ。神奈川県立海老名高等学校卒。2010年「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、同作品を収録した『オーブランの少女』でデビュー。
〈作品〉『オーブランの少女』2013年東京創元社刊。『戦場のコックたち』15年東京創元社刊=第154回直木賞候補、16年本屋大賞第7位。『ベルリンは晴れているか』18年筑摩書房刊=第160回直木賞候補、19年本屋大賞第3位、第9回Twitter文学賞国内編第1位。『この本を盗む者は』20年KADOKAWA刊=21年本屋大賞第10位。
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