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ガッとふすまが開いて、ボスグループのひとりが吐き捨てるように…中川翔子を苦しめた“理不尽すぎる”いじめ体験

ガッとふすまが開いて、ボスグループのひとりが吐き捨てるように…中川翔子を苦しめた“理不尽すぎる”いじめ体験

中川 翔子

『「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない』より#1

出典 : #文春文庫
ジャンル : #ノンフィクション

 小学校の時はそんなわたしをみんなが受け入れてくれていたので、中学になるまでそれが変わったことだという認識はまったくありませんでした。

 でも、中学のそのクラスでは、自分の机でひとり絵を描いているわたしは、キモい存在として冷ややかな視線を浴びることになりました。

©iStock.com

「あいつ絵ばっかり描いててオタクじゃね? キモいんだけど」とボスグループの子たちから陰口を言われるようになるのに、そう時間はかかりませんでした。

「オタク」。いまでこそ、この言葉は一般的になりましたが、当時、「オタク」であることはすなわち「キモい」ことだったのです。

 クラスではボスグループが「絶対」で、ボスが「キモい」と言ったことで、わたしは完全に「キモい子」というレッテルを貼られました。それまで普通に話していた子たちも、だんだんわたしから距離を置くようになっていきました。

 もしかして、わたし、いじめられてる……?

 

 いやいや、思い描いてた憧れの中学生活とはかけ離れてる、こんなの違う、わたしがこんなふうになるなんて嫌だ!

 わたしはまわりからどう見えてるんだろう?

 恥ずかしい!

 不安と恐怖がぐるぐる頭と心を支配するようになりだしたのです。

自分の好きなことを否定された修学旅行

 中学2年の秋の修学旅行での出来事はいまでも鮮明に覚えています。

 宿泊先の部屋で、わたしは同じように絵を描くのが好きな子と、大好きな漫画の絵を描いていました。ルーズリーフに好きなキャラを描いた絵を交換するのがその頃のオタクグループのトレンドで、ワクワクする大事なことでした。

 すると突然、ガッとふすまが開いて、ボスグループのひとりがいきなり吐き捨てるようにこう言ったのです。

「絵なんて描いてんじゃねえよ! キモいんだよ!」

 彼女はそれだけ言うとピシャッと乱暴にふすまを閉めて出ていきました。

 世界が真っ暗になりました。

「なんで? ただ絵を描くのが好きで、静かに楽しんでいるだけなのに……」

文春文庫
「死ぬんじゃねーぞ!!」
いじめられている君はゼッタイ悪くない
中川翔子

定価:770円(税込)発売日:2022年08月03日

電子書籍
「死ぬんじゃねーぞ!!」
いじめられている君はゼッタイ悪くない
中川翔子

発売日:2022年08月03日

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