- 2023.02.22
- 特集
3・4月合併号の特集は〈第168回直木賞決定&発表〉。祝・小川哲さん『地図と拳』、千早茜さん『しろがねの葉』!
文:「オール讀物」編集部
ジャンル :
#小説
,#エンタメ・ミステリ
,#歴史・時代小説
本日発売になった「オール讀物」3・4月合併号は、〈第168回直木賞決定&発表〉と〈直木賞作家大特集〉。対談企画や、読切短編も大充実の一冊です。
第168回直木賞は、小川哲さんの『地図と拳』と千早茜さんの『しろがねの葉』のW受賞となりました。宮部みゆき選考委員は、「どちらの作品も、アイデアだけでは書けない、資料を調べただけでも書けない、(中略)努力と我慢と情熱と馬力、全てが揃わないと書きあげられない作品です」と高く評価。こうした全9人の選考委員の〈選評〉からは、この2作品はもちろん、ほかの候補作品に対しても熱のこもった、真摯な議論が交わされたことが、非常によく伝わってきます。
ふたつの受賞作はともに長編のため、すべてを収録することはできませんでしたが、その抄録には最大限のページを割きました。そして、グラビア、自伝エッセイ、大森望さんと吉田伸子さんによるブックガイドに加え、小川哲さんは、中国を題材にした著作を数多く書き上げてきた浅田次郎さんと、千早茜さんは、デビューの時から成長を見守ってきた北方謙三さんと受賞記念対談が行われ、大ボリュームの直木賞特集となっています。
さらに今号では、デビュー30周年を迎えた村山由佳さんが、「小説の世界の父」と慕う五木寛之さんと、昨年は日大理事長就任でも話題を集めた林真理子さんが、『文豪、社長になる』を上梓する門井慶喜さんとの対談も実現! これらの豪華な4組、8名の組み合わせからは、それぞれの豊かな文学観が溢れだしており、いずれの逸話にも感銘を受けずにはいられません。
小説では、多くの戯作を残した巨人・近松門左衛門の生涯に迫る、長編連載「一場の夢と消え」がはじまりました。これまでも不世出の落語家・円朝、歌舞伎役者・市川團十郎を描いてきた松井今朝子さんが、いよいよ満を持して挑戦する意欲作は、初回から読み応え十分。今後に期待が高まります。短編読切も直木賞作家の桐野夏生さん、石田衣良さん、北村薫さん、桜木紫乃さん、荻原浩さんの傑作がずらりと並び、人気シリーズも夢枕獏さんの「おくのほそみち」、五十嵐律人さんのリーガルもの、坂井希久子さんの「江戸彩り見立て帖」の最新話が掲載されています。
そのほかコラムやエッセイでは、東海林さだおさん、伊藤理佐さん、中野京子さん、光浦靖子さん、紀行ものでは阿部智里さんの「『灯台』を読む」、高野秀行さんの「イラク水滸伝」など超強力ラインナップ。大好評連載の今野敏さんの公安警察小説「タイペイアセット」は、大どんでん返しの最終回を迎えました。
「オール讀物」3・4月合併号には、日本のエンタメ小説界の最前線と面白さがぎっしり詰まっています。お手元で長く楽しんでいただければうれしいです!
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