本屋大賞受賞、映画化と大ヒットした『そして、バトンは渡された』から5年。
瀬尾まいこさんの新作『私たちの世代は』が7月24日に発売されました。
小学3年生になる頃、今までにない感染症の流行で不自由を余儀なくされた二人の少女、冴(さえ)と心晴(こはる)。母子家庭の冴は中学生になりイジメに遭い、心晴は感染症が落ち着いた休校明けに学校に行くきっかけを失って以来引きこもりになってしまう。それでも周囲の人々の力添えもあり、やがて就職の季節を迎える――。
望まずしてマスク世代などのレッテルを貼られてしまった若者たちの生き方を描いた物語。
すでに読んだ全国の書店員さんから届いた声を紹介します。
未来屋書店碑文谷店 福原夏菜美
すごくよかったです。胸が熱くなりました。人との関わり方に悩んだあの時期。やり場のない憤りと葛藤。それらを乗り越えてある今。人と関わること、繋がること、それが自分にどう影響してきたか、改めて考えさせられました。失ったものだけではなく、得たものにも目を向けてみようと、前向きな気持ちになれました。
ジュンク堂書店名古屋店 二村有香
大人になって何もかもを素直に言う訳にはいかなくなった自分と、子供の頃、後先考えずに思ったことを言っていた自分、そのどちらをも肯定して抱きしめてもらったような気持ちになりました。
260ページのこの言葉に胸を打たれました。「愛も幸せも形はない。だけど、それが見える瞬間は本当にある。」
紀伊國屋書店ゆめタウン博多店 竹下心
さすがです。閉塞感に押しつぶされそうになりながらも、必死に食らいついていった先にみえた光。読み終えた瞬間、久しぶりに屋外でマスクをはずした時のような爽快感があった。
東京旭屋書店新越谷店 猪俣宏美
他人からすれば、「そんなこと?」と思うことで、人は躓いて人生のバランスを崩す。そして同じような些細なことで、人は人を救い得る。どんな理不尽な出来事があろうとなかろうと、私たちの人生は進んでいくし、それぞれがそれぞれのやり方で問題を乗り越えたり、引きずったりしながら人生を作っている。痛みさえも愛おしいと思う物語だった。
出てくる人みんな愛おしい!
冴ちゃんのお母さん、最強!
明屋書店小郡店 玉井慎一
愛のつまった物語。ずっと成長を追いかけていきたいくらいでした。
相手をうかがいながらも少しずつ距離をつめていくところは臆病のように見えて、感染症対策の先に獲得した優しさなのではないでしょうか。
現実も明るくあってほしいと考えずにはいられませんでした。
文教堂二子玉川店 高橋茜
なんて優しい世界なんだ!と叫び声を上げました。優しさの恒久循環機構が完成している…! お金に余裕がない、気持ちに余裕がない、だけど人に親切にされたら誰かに親切にしたい。わたしはこの本から優しさを受け取ったので、親切を誰かに返したい。
感染症で失ったものは多いけど、人生ままならないことも多いけど、それでもこんなふうに大切にできることを見つけられたら幸せに生きられる気がしました。
六本松蔦屋書店 峯多美子
幼い頃にコロナ禍を経験した2人の女性の今と少し先の未来がとてもリアルに丁寧に描かれている。時代に翻弄され、ままならない人生。それでも一歩踏み出し扉を開けた2人。人間に対する優しい眼差しが根底に流れる、知らない間に涙が溢れる今こそ読まれるべき物語。
あの数年を振り返って、我々はどう感じるのか。その一つの答えがここに。
文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子
コロナ世代。ディスタンス世代。色々我慢しなければいけなくて、それが当たり前で、マスクが手離せなくて。そんな子供たちが大人になる頃は……。
たくさんの道があって、何が正解とか不正解ではなく、一人一人が、自分の道を生きていくのだなぁと思いました。考えてみたら、それはどの世代にも言えることなんだけど。
それでも、感染症によって行動制限された子供たちはある種、特別な存在なのかも知れない。他の世代が経験したことがないことを経験し、成長する。
応援したい、と強く思います。そしていつの時代でも、人と人との絆の大切さ。そこから広がるもの、深まるもの、沢山あるけど「縁」を大切にしたい。
函館蔦屋書店 宮成珠美
それぞれの困難に健気にひとりたくましく立ち向かってきたすべての人に届けたい物語です。またずっと先に読み返す時にはどんな自分でいるだろう、どうか大切なことを見失っていませんように…と祈るようにそっとかたわらにおいておきたい一冊です。
瀬尾さんこの物語を書いてくださりありがとうございます。
-
〈特別インタビュー〉瀬尾まいこ「社会的なテーマを書いたつもりはないですが…」
-
中高生に一番読んでほしい本は? 瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』が第9回キミ本大賞第1位!
2023.03.20ニュース -
『私たちの世代は』に著者の瀬尾まいこさんが願いを込めた、これからの日々に少しでも明るいものを差し出せる物語。
-
7月24日発売の瀬尾まいこ『私たちの世代は』は、コロナ以降を生きる我々に示唆を与えてくれる物語。
-
今年最も読まれた本は? 瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』が文庫本年間ベストセラー1位!
2021.12.01ニュース -
「優子ちゃんは、あたしがお母さんでよかった?」大ベストセラー『そして、バトンは渡された』原作のコミカライズ版が10月19日(火)に発売!
2021.10.19ニュース
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。