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イエス・キリストの正体とは? 日本版『ダ・ヴィンチ・コード』を「目利き中の目利き書店員」5名が絶賛!

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『聖乳歯の迷宮』(本岡 類)


ジャンル : #エンタメ・ミステリ

『聖乳歯の迷宮』(本岡 類)
栗俣力也(TSUTAYA仕掛け番長)

YouTubeでついつい「人類史の謎」系動画をよく見てしまうという方に100%読んで欲しいイエス・キリストの乳歯発見から始まる超絶ミステリー!!

話が進んでいくにつれ深まる興味に心が騒ぎ「もっと知りたい」とページをめくらずにはいられなくなりその先に待つ考えもしなかったような結末。

ミステリーの面白さ=好奇心をくすぐられる楽しさという事をまさに最大規模のスケールでみせてくれる。

まず数ページ読みそして「目次」を見て欲しい。あなたの好奇心はキットそのあとこの作品を読まないという事を許さないはずだから。

坂嶋竜(さわや書店イオンタウン釜石店)

ロマン溢れる謎もいずれは解き明かされてしまう――それがミステリの宿命だ。

しかし、“イエスの住居跡で乳歯が発見される”という人類史に関わるスケールの大きな謎とともに始まる本書の謎は、物語の終盤に近づいてもなかなかヴェールを脱ぐそぶりを見せない。乳歯の神秘性は炭素年代測定法やDNA解析などによって証明されており、神の子=イエスの存在も科学によって強固に守られているからだ。

それでも、乳歯の発見が世界中の宗教者及び非宗教者に与えた影響や登場人物たちが調査を進める姿が丁寧に描かれていくなかでデータは揃い、予想だにしなかった真相へとたどり着く。すべてが明らかになるラスト50ページ、イエスを中心に大きく広げられた物語が見事に畳まれるその瞬間、読み手は新たな奇蹟を目にするだろう。

三島政幸(啓文社ゆめタウン呉店)

本岡類――久しぶりに聞く作者だ。1980年代~90年代にかけて多くのミステリを発表され、私もそのいくつかは読んで親しんできた。しかし、すっかりお名前を聞く機会もなくなり、もう作家業は引退されたのか、と思っていた2023年になって、堂々と復活してきた。しかも、飛び切りのエンタメ大作を引っ提げて。

それが『聖乳歯の迷宮』である。

ナザレの地で発見された乳歯から、ホモサピエンスとは全く違うDNAが検出される。これは人類とは別の存在=イエス・キリストのものなのか? 世界の宗教界に衝撃を与えた発見が巻き起こす騒動の謎を解く鍵は、日本に、それも東京都にあたる場所にあるのか?

歴史と世界の謎に迫る壮大なテーマと、読みだしたら止まらないエンタメ性。さらに、謎を追う中で起こる事件の数々。

我々はキリストの真実を知ることになるのか、それとも世界を騙す巨大なトリックなのか? 読者の目で直接確かめて欲しい。

博田宏之(丸善髙島屋大阪店)

「科学VS.宗教」

本来相容れないはずの両者が「現生人類とは違うDNAをもったイエス・キリストの乳歯」が発見されたことにより融合する。科学のお墨付きを得て、世界的に盛り上がるキリスト教信者たち。

一方、八丈島近くの孤島で変死した友人が「鬼の痕跡」を探していたと知った雑誌編集者の小田切は、全く異なるこの二つの事件につながる人物がいることを突き止める。

謎また謎をテンポよく引っ張り、シンプルでありながら大胆なアイデアに溢れ、先の読めない展開、丁寧な描写、そしてひねりのきいたエンディング。果たして奇蹟は顕現するのか。それは、読んだものだけが知ることができる――。

宇田川拓也(ときわ書房本店)

謎の壮大さは伝奇小説レベル、読み解きの筆致は本格ミステリ、そして犯人像はサイコスリラー!?

だが、もっとも虚を突かれたのは、犯人がなんでもないことのように口にする動機だ。

膨大な数の人間を巻き込み、突き動かすような大きな動きとは、必ずしも苦渋の決断や理知的に考え抜かれた末に起こるわけではない空恐ろしさよ。

ひさびさにミステリシーンへの帰還を果たした著者による会心の作は、この世界の無視できない危うさを鏡のごとく映し出している。

文春文庫
聖乳歯の迷宮
本岡類

定価:990円(税込)発売日:2023年11月08日

電子書籍
聖乳歯の迷宮
本岡類

発売日:2023年11月08日

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  • 『俺たちの箱根駅伝 上』池井戸潤・著

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