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「ただ断捨離をするとかそういうことではなく…」イモトアヤコが憧れる「ホンモノの丁寧な暮らし」

「ただ断捨離をするとかそういうことではなく…」イモトアヤコが憧れる「ホンモノの丁寧な暮らし」

イモト アヤコ

『よかん日和』

出典 : #文春オンライン
ジャンル : #随筆・エッセイ

 鳥取より上京後、芸能界で活躍の場を広げ、お茶の間の人気を博しているタレントのイモトアヤコさん。

 結婚とほぼ同時期にコロナ禍になり、海外ロケもストップ。窮屈な生活の中で、どうにかワクワクドキドキできる場所を作りたい――そんな思いから、味噌を手作りしてみたり、土鍋でご飯を炊いてみたり「丁寧な暮らし」を送ろうと奮闘してといいます。

 ここでは、イモトさんが日々の生活の実感を記録したエッセイ集『よかん日和』(文藝春秋)より、2022年5月11日に綴られた「丁寧に暮らすヒント」を抜粋して紹介します。(全2回の1回目/続きを読む)

©文藝春秋

◆◆◆

 先日、憧れのユーチューバー「OKUDAIRA BASE」さんのお宅を訪問させてもらった。

「OKUDAIRA BASE」とは、奥平さんという現在28歳の男性が、日々の丁寧な暮らしを発信している動画チャンネルなのだが、数年ほど前から、わたしはこの動画を見まくっている。

 そして影響されているのだ。

 ここ数年、丁寧な暮らしに憧れているのも、だいぶ奥平さんの力によるものが大きい。

 奥平さんの動画を見ると、気持ちがすぅーと落ち着き、なんだか自分も丁寧な暮らしをしているかのような疑似体験ができるのだ。

イモトさんと奥平さん

 朝5時台に起き、出汁をとり、土鍋でお米を炊き、キッチン周りをDIYして、パンを焼き、夕方にはランニングをし、ゆっくり晩ご飯を作り、読書をして、眠りにつく。

 まるで夢物語であるかのような生活だが、紛れもなく28歳の男性の一日なのだ。

素敵なおもてなしで体中が幸福に

 これを全て真似するのはハードルが高い。

 なもので、わたしは奥平さんが使っている道具や奥平さんが作っている道具を買いあさり、丁寧な気分を味わい楽しんでいた。

 そんな、もはやファンである奥平さんのお家に訪問できる機会にこのたび恵まれた。

 鼻息荒く行くと、そこには動画で見ていたまんまの超絶素敵なお家。

 もはやハウススタジオである。

 そこから奥平さんの素敵なおもてなし。

 庭でとったヨモギを練り込んだ手作りパスタ。

 カボチャを皮ごと使ったカボチャスープ。

 新鮮なお野菜に美味すぎるお塩で食べるサラダ。

 前日から仕込んでくださっていたチーズケーキ。

 もう全てが美味しくて心がこもっており、体中が幸福で埋めつくされた。

 

 そこから、お部屋を案内してもらったり、道具を紹介してもらったり、たくさんお話しさせていただいた。

 奥平さんはお家にある全てのものに対して、楽しそうに嬉しそうに語る。

 なんで購入したのか、どういうところが気に入っているのか、その道具とのストーリーがあるのだ。

 だから、これなんで買ったんだっけ? いつから置いてあるのだろう? というものが1つもない。

 愛情のあるものしかお家にないからこそ、その空間が気持ちの良いものになるのだ。

 

ものにも人にも感謝の気持ちを

 ただ断捨離をするとかそういうことではなく、本当に自分が好きなものを知っていて、工夫して使っているからだと思う。

 それは、人に対しても同じで、最近ご結婚された奥様にも、常に「ありがとう」と声をかけられていた。

 丁寧に暮らすとは、ただ形だけ、土鍋でご飯を炊くことでも、花瓶に花を生けることでも、ぞうきんで掃除することでもない。ものにも人にも感謝の気持ちをもって、目の前の今を思いっきり楽しむ。

 その延長線上に、いわゆる丁寧といわれている暮らしがあるのかな、と奥平さんを見て感じた。

 道具を買いあさるだけでなく、ホンモノの丁寧な暮らしを目指すべく、心を整えたいと思いながら、さっそく奥平さんが使っていたお塩とガラスケースをポチりました。

絶体絶命の場面での神対応…イモトアヤコが「一生ついていこうと心に誓った」女性芸人とは?〉へ続く

単行本
よかん日和
イモトアヤコ

定価:1,540円(税込)発売日:2023年12月07日

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