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編集長が語る【オールの讀みどころ】 2024年7・8月号は有栖川有栖トリビュート&高校生直木賞に感涙!

編集長が語る【オールの讀みどころ】 2024年7・8月号は有栖川有栖トリビュート&高校生直木賞に感涙!

文:「オール讀物」編集部


ジャンル : #小説 ,#エンタメ・ミステリ ,#歴史・時代小説

「本の話」を読んでくださっているみなさん、ご愛読ありがとうございます! 「オール讀物」編集長の石井です。

 5人でつくっている「オール讀物」の裏話、編集部内で起きているニュースについては、note不定期連載の編集部だより「オールの小部屋から」や、本の話ポッドキャストの【オールの小部屋】で発信しておりますので、ぜひチェックしてください!

 こちら「本の話」の月イチ連載「オールの讀みどころ」では、最新号について、渾身の企画の数々を紹介していきます。

 というわけで「オール讀物」7・8月号です。まずは今号からオール讀物が隔月刊誌になったことをお知らせしなくてはなりません。今後、オール讀物は【偶数月の22日頃発売】となります。奇数月には書店に並びませんので、どうかお間違えのないように、これからも変わらぬ応援をお願いいたします。

「オール讀物」7・8月号

 ペースをゆっくりにする代わり、1号あたりのページ数を第三種郵便で発送できるぎりぎりまで厚くしまして(すみません、その分、定価を改定させていただきました。昨今の紙の値上げなど反映しております)、毎号を特大号といたします。

 また、これを機に、定期購読者を増やしたいと思い、さまざまな特典をご用意しました。ここでちょっとだけ定期購読の宣伝をさせてください。下記の定期購読センター(QRコード)経由で新規ご契約の方、あるいは契約を更新してくださった方に、

 (1)もれなく「文豪一筆箋」をプレゼントします

「○○○○用箋」欄にご自分の名前を書き込めば、気分はもう文豪! お気に入りの小説の一節を書き写してみたり、ショートショートを創作してみたり……いろいろな用途でお楽しみいただくことができます。

文豪一筆箋(画・オカダミカ)

 (2)編集部だよりをお送りします

 編集部の近況、最新号の読みどころをお知らせするニューズレターを同梱します。ニューズレターには【定期購読者限定動画】のご案内も! 目下、桜木紫乃さんスペシャル動画「デビュー22年目のサバイバル」、オール讀物主催「歴史時代小説書き方講座2023」(講師・門井慶喜さん)、万城目学さん「エッセイ書き方講座」アーカイブ(年末までの期間限定配信)などのスペシャル動画を、定期購読者限定でご視聴いただけます。今後はイベントも企画していきたいと考えています。

スペシャル動画に出演中の桜木紫乃さん

 ↓ 定期購読のお申し込みはこちらから

 もちろん、送料無料で毎号お届けしますので、ぜひこの機会に、定期購読をご検討ください。すでにご契約の方は、隔月刊化以降も、現在の契約冊数(10冊)満了までお送りいたします(次回のご契約より年間6冊に変更となります)。

 さて、前段が長くなりました。7・8月号の特大企画その1、「有栖川有栖トリビュート」をご紹介しましょう。

 有栖川さんのデビュー35周年を記念する本企画は、5月号の一穂ミチさん「クローズド・クローズ」に続いて、本格ミステリ大賞&日本推理作家協会賞&山本周五郎賞を受賞されたばかりの青崎有吾さん、『屍人荘の殺人』や『でぃすぺる』で知られる今村昌弘さん、オールでは「蛇目の佐吉」でおなじみ織守きょうやさんにご登場いただきました。

 青崎さんは「縄、綱、ロープ」、今村さんは「型取られた死体は語る」、織守さんは「火村英生に捧げる怪談」と、タイトルからして面白そう。三者三様、持ち味が存分に発揮された短篇が目次に並びました。三人の鼎談「大事なことはすべて江神と火村に教わった」も必読! ミステリって面白いな、楽しいな、という気持ちになれること請け合いです。

 有栖川チルドレンといえばこの方。荒木あかねさんにもご登場いただきました。新刊『なんで死体がスタジオに!?』を上梓する森バジルさんと、おふたりの拠点である福岡で対談が実現。有栖川作品から学んだこと、視点のとりかた、2作目を書く難しさ……話は尽きません。対談でも言及されていますが、荒木さんがミステリの面白さを発見したきっかけは、中学時代、図書室で見つけた文春ムック「オールスイリ2012」(オール讀物の増刊です!)。こちらに掲載されていた有栖川さんの短篇「探偵、青の時代」を読んで、あまりの面白さに衝撃を受けたのだそうです。このムックの編集後記に、私は「ミステリーは私たちの大切な友人です」と書きました。この気持ちはいまも変わりません。今回のトリビュート企画は、有栖川さんのファンはもちろんのこと、青崎さん、今村さん、織守さんのファンのみなさん、ミステリを愛するすべての人に読んでいただきたいと願っています。

荒木あかねさん(左)と森バジルさん

 ほか、ミステリー特集として、巻頭に米澤穂信さん「お見通し」、巻頭2作目に芦沢央さんの「祭り」と、いずれも骨太の本格警察推理が並びました。北方謙三さんとカズレーザーさんが「ハードボイルドとは何か」を徹底討論する対談は、大人の名言、至言のオンパレード。さらに読み切りとして、ベテラン今野敏さん「倉島警部補」、坂木司さん「おやつ部」新作、長岡弘樹さん、大山誠一郎さん、水生大海さんの人気シリーズも。

 特大企画その2は、「第11回高校生直木賞」の決定発表です。史上最多となる46校の参加をえて、地方予選、全国大会あわせて7時間超の議論を積み重ねました。決選投票の結果、宮内悠介さんの『ラウリ・クースクを探して』が受賞。決定後、宮内さんとお電話がつながり、会場の高校生にメッセージをいただくことができたのですが、スマホごしに宮内さんと話したある男子高校生(盛岡から参加してくれた)が、「すばらしい小説を書いてくださってありがとうございました」と言って泣き崩れるのを見て、万感、胸に迫るものがありました。高校生たちの純粋で鋭い感性に触れることができて、私のほうが「ありがとう」という気持ちです。

議論する高校生たち

 高校生たちの熱く真摯な議論の模様は、伊藤氏貴さん(高校生直木賞実行委員会代表・明治大学教授)のルポや、巻頭のグラビアでお楽しみいただけたら幸いです。

 ベテランから新鋭まで、「歴史時代小説特集」も充実のひと言。あさのあつこさんが若き関東取締出役を描く連載第2回「八州の風手控え帳」、村木嵐さんが大田南畝を描く第2話「ゑびす哥」はますます快調。ベテラン宮城谷昌光さんの三国志名臣列伝、夢枕獏さんのおくのほそみちシリーズも圧巻の面白さです。武川佑さんの切支丹陰陽師ほか、オール讀物新人賞出身の面々として、小林尋さん、米原信さん、由原かのんさんがそろい踏みしました。

 大反響の髙見澤俊彦さん「神様について語ろう」。神田明神の岸川雅範禰宜を講師に招き、世界一わかりやすい「神道入門」をお届けしていく第2回は、人がどんどん神様として祀られていく日本の不思議に迫ります。「メリーアン盆踊り」のトークも楽しい!

 恒例の「第171回直木賞候補作発表」もあります。青崎有吾さん、麻布競馬場さん、一穂ミチさん、岩井圭也さん、柚木麻子さんの全候補作紹介&インタビューをお読みいただいて、できれば書店で候補作を揃え、7月17日の選考会をお待ちいただけたらと思います。

第171回直木賞候補作

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オール讀物2024年7・8月号
オール讀物編集部

定価:1,500円(税込)発売日:2024年06月21日

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