『家族』(葉真中 顕)

 好評発売中の葉真中顕さんの『家族』。「尼崎連続変死事件」をモチーフにした、一気読み必至のクライムエンターテイメントです。いち早く読んでくださった書店員さんたちの戦慄の声を一部お届けします! 


冒頭から息をのむ展開で、重たい題材にもかかわらず一気に読まされました。「なぜ人は支配に絡め取られるのか」「家族という言葉にどうしてそんなに縛られてしまうのか」と思いを巡らせてしまいます。 
(森田洋子さん/コメリ書房鈴鹿店)

こんな地獄見たことがない。助けて、助けて、助けて。誰も助けてくれない。唯一の手段になるはずの警察が顔を背ける。知らないふりをする。傷つけたくない人を傷つけないと生きていけない。こんな苦しみ想像しただけで、身体が鉛のようなものに押さえつけられたようになる。
(山中真理さん/ジュンク堂書店滋賀草津店)

本当に読み終わるまで眠れなかった! 家族という言葉がとてつもなく恐ろしく響いてくる作品だ。狂気の支配を回避するには? 小説から知ること、伝わることで、自分や誰かを守る力になるかもしれない。
(山田恵理子さん/うさぎや矢板店)

愛は不平等。愛は理不尽。愛は力。「家族」という聖域の中で 愛による支配。恐ろしくてたまらないのに 読む手を止めることができませんでした。 読むのに覚悟が必要です。
(鈴木智春さん/CHIENOWA BASE)

「家族」と言う題名からすると穏やかなストーリーなのかと思いきや、凶器を突きつけられたと思うほどの恐怖を感じるストーリーでした。あなたもこの複雑怪奇な家族の物語ぜひ読んで見て下さい。
(鈴木康之さん/くまざわ書店南千住店)

怖いのだが、何があったのか知りたい気持ちが抑えられず一気に読んでしまった。読み終わるまで寝れなかった。今現在どこかで警察の民事不介入を逆手に取った「家族」たちが「愛」を叫び続けているかもしれない。
(吉井めぐみさん/宮脇書店ゆめモール下関店)

本当に読み終わるまで眠れません。夜が更けるのも忘れて一気に読んでしまいました。 「家族」という名の縛りがこんなにも容易く心の隙間に入り込み洗脳は増殖されていくものなのか。家族の温もりとひとときの愛に触れたかっただけなのに。死のパレードが終わらない。 
(望月美保子さん/BOOKSえみたす富士吉原店)

とにかく怖かった。人間が。一言では言い表せない壮絶な物語。 苦しいだけではなく、切なく、物悲しさを覚え、家族とは何なのかをずっと問われているようだった。 私にとって稀有な読書体験となった。 忘れられない、圧巻の衝撃作でした!
(池尻真由美さん/紀伊國屋書店久留米店)

人間は、家族や絆、愛といった甘美な存在に、どれほど弱いのか。そう突きつけられる一冊だった。読後に残ったのは、人間が抱える歪んだ愛と支配欲に呑み込まれまいと、胸に刻む思いだった。 ──これは決して、他人事の闇ではない。
(新井さゆりさん/文真堂書店ビバモール本庄店)

恐ろしい物語すぎて、頭が混乱です。まさか「家族」というワードに恐ろしさを感じる日が来るなんて思いもしなかったです。 足元が沼のように沈んでいく、そんな風にひとから思考を奪い、沈めていく。そんな歪な「家族」のような集団や歪んだ「愛」は、気付かないうちに身近なところに潜んでいるかもしれないと考えずにはいられなくなる物語です。
(岩谷妙華さん/須原屋ビーンズ武蔵浦和店)