好評発売中の葉真中顕さんの『家族』。「尼崎連続変死事件」をモチーフにした、一気読み必至のクライムエンターテイメントです。いち早く読んでくださった書店員さんたちの戦慄の声を一部お届けします!
「家族」というものが、「愛」ということばが、こんなにもおぞましく響くとは。我々が信じ、大切にしてきた絆が圧倒的な抗えぬなにかと暴力とで塗り替えられていく。どうか覚悟して、心してこの本を開いてほしい。読む前にはもう、戻れないから。
(富田晴子さん/精文館書店豊明店)
◇
出会ってしまったのが運の尽き、女郎蜘蛛の巣にかかった人々は、支配によってどう変わっていったのか。 人間の脆さと弱さを見せつけられ、心が落ち着かなかった。こちら側とあちら側は、常に隣り合わせなんだ。 息つく間もなく読了。
(石坂華月さん/未来屋書店大日店)
◇
ほんとうに読み終わるまで止まることができなかった。止めたら追い掛けられ飲み込まれるようで恐ろしかった。こんな「家族」が二度と現れないことだけを祈った。
(佐々木知香子さん/未来屋書店入間店)
◇
「家族」という言葉をこれほど恐ろしく感じたことはない。恐ろしさの中に見える強烈な愛への渇望がなんだか切なく、怖い話、だけでは終わらなかった。
(吉原朋子さん/紀伊國屋書店アリオ鳳店)
◇
目をつけられたら最後、暴力と恐怖で支配され、財産も仕事も家庭も、人としての尊厳までもが奪われる。最後は命を奪うか奪われるか…。もし自分だったら何ができたか、何度考えても逃げおおせる想像ができない。「民事不介入」という一言で見捨てられ、平穏な日常が内側から食い破られていく理不尽さに戦慄し、絶望で息が苦しくなった。読み終えた後も恐怖と怒りとやるせなさが頭の中で渦を巻いている衝撃の1冊。
(塩里依子さん/くまざわ書店西新井店)
◇
『家族』の概念が変わった。 まさかこんなにも恐ろしい言葉だったとは……。常軌を逸しているが、家族だからこそ逃げられず、歪さに気づけないのかもしれない。
(岡野真依さん/TSUTAYA BOOKSTORE APIT京都四条店)
◇
これが純粋なるフィクションだったらどんなにかよかったろうと思います。家族を殺すことで自分が生き延びるとしたら? その異常な精神状態の中で正しい判断ができるとは絶対に思えない。当たり前に普通の生活を送っていたはずの人々が巻き込まれていく日常の隣にある恐怖を、小説という形で知らしめることは今後の事件を起こさないためにも意義のあることであり、何より私自身警告として受け止めています。
(熊谷由佳さん/丸善ヒルズウォーク徳重店)
◇
人間の弱さ、愚かしさ、負の側面を嫌というほど突きつけられます。「血が繋がっていなくても私たちは家族」。本来なら心温まるこの言葉が、身の毛もよだつ響きを持つ言葉に変換される恐ろしい物語です。
(峯多美子さん/六本松 蔦屋書店)
◇
瑠璃子自身は、他の人を歪なかたちで支配することで、望んだ愛は手に入ったのでしょうか。どれだけの人を支配しても、心の渇きが癒えないまま、支配すればするほど、むしろ渇きは増すばかりだったのかもしれないと思います。
(名和真理子さん/興文堂iCITY店)
◇
こんな love is power は嫌だ と言いたくなる、まさに「最悪」の家族……!! 自分の生活が薄氷の上に成り立っているのだと、まさに真横に奈落の底がある事に気付かされるような読書体験に終始冷や汗が止まりませんでした。葉真中先生の作品はいつも面白いですが、今作は飛び抜けて恐怖感が強かったです……!!(特に鉄の描写に差し掛かった時の、分かり合えない二つの世界の描写は自分の平和主義を叩き落とされるような感覚でした)
(尼子慎太さん/ページ薬局)








