若林正恭さんの新刊小説『青天』が好評発売中です。
発売前重版を経て現在28万部を突破。多くの読者の胸を震わせています。
そして今回、本作を読んでくださった全国の書店員のみなさんから、100人以上の感想コメントをお寄せいただきました。
(寄せていただいたコメントは、若林さんもぜんぶ読んでくださっています!)
ぜひ、この熱狂をいっしょに楽しんでいただけたらうれしいです。
【中国・四国・九州エリア】
2026年4月2日更新
善にも悪にもなれない、中途半端な人生から抜け出せた軌跡に心打たれた。
ラストの試合のシーンは共に闘っているような気持ちになり、青天で見上げた空の青さまで見えてくるようでした。
Book Yard.&COMO
川本梓
アメフトを知らずに読んだがために、その野蛮さに驚きっぱなしだった。だからと言ってこの作品が苦手とか嫌いとかではなく、むしろ青春小説としては好き。
現代では何かにアツくなる人を冷笑する傾向があるけれど、私にはその笑いがわからない。何かにアツくひたむきになり、たくさんの壁や人とぶつかり合った人は、きっとその先の人生でもまっすぐ向き合っていけると思う。
そんな人の方が信頼できると思う私が古い人間なのかもしれないけれど。でもどうにも、人との付き合いを避けてきた人には、目の前の人の気持ちを想像することはできないだろうし、立ちはだかる壁から逃げ続けた人に、その壁の壊し方はわかるわけないと思ってしまう。にわか仕込みの知識なんかでどうにかなるものではない。
だから、なるべく学生時代にさまざまな経験をしてほしいと思う。
今井書店出雲店
島田優紀
「逃げたい」と思いながら生きてきた。 世の中の健康で、活気がある人たちの「勝ちたい」気持ちなんて、忌避の対象でしかなかった。 だから「勝ちたい」に無限のグラデーションがあるなんて、知らなかったし、知ろうともしていなかった。 主人公のアリは、孤高の天才でもなければ、普通の輪にも入れない。 家も学校も居心地が悪そう。 そんな中で、唯一アメフトをしているときだけは、存在の苦痛から離れられる。 生きてることを感じられる。 楽しい。 苦しくない。 気持ちいい。 そんな瞬間のために、報われないかもしれない努力をし続けるアリを、 冷笑したい人はすればいい。 それによって損なわれるものは何もない。 個人の尊厳を他者が奪うことはできないし、譲渡することもできない。 面倒くさくても自分にしかやれないこと、それを受け入れてやっていく。 ただそれだけが生きるということなのかもしれない。面倒くさいなあ。
紀伊國屋書店広島店
田中夏子
こんなむき出しの小説を読むのは久々。弱小ながらもひたすら打ち込んでいたアメフト部。強豪校と当たり、最後の大会が終わった。アメフトが全てだった主人公の心は空虚になり、そして自暴自棄になりながらも、再び前を向き始める……。相手にぶつかっていくアメフトのように、やけくそになっても、反省するにも、どんな時でも暴力的思考。でも、自分自身に向き合って、納得を引き出していく純な部分に魅かれました。いやほんと、昭和の泥臭い青春って感じがたまらない。
何よりも印象的だったのが、部の仲間も不良も先生に至るまで、全てが分かりやすいほどに真っすぐで、なおかつ濃すぎるキャラ達なこと。めっちゃ魅かれました
そしてスポーツ物として当然期待していましたが、その期待を越えてくるラストシーンが熱くて最高でした。まったく今時ではない、でも今だからこそ読んで欲しいと薦めたい一冊です。素敵な物語をありがとうございます。
フタバ図書 TSUTAYA MEGA中筋店
水本伸一
何者にもなれず、でも何者かになりたい。全てを持ってる人を羨んでる。そんな風になりたいのに言い訳をしながら何もせず人のせいにしたり。
何か分からないけど周りに苛立ったり。あの頃の痛くてつらくてどうしようもない感情を真正面から書いた作品だと思います。誰しもが共感できる部分があるのではないでしょうか? 主人公の最後の指差しての「青天」、シビれます!
試合のシーンがとにかく面白い! 最後の2試合はプレーを観に行っているように情景が浮かびました。合間に出てくる音楽がまたいい! 餓鬼レンジャー!! 懐かしい!! かっこいい!!
作品に出てきた音楽を聴きながらまた読み直します。
未来屋書店宇品店
森島 恵
熱い! ひたすら熱い。そして暑くるしいアメフト小説でした。アメフトを全然知らなくても勢いで読みすすめることができるパワーのある「初」小説にびっくりです。
啓文社ポートプラザ店
井戸佳子
まず、大前提として僕はアメフトのルールをろくに知らない。いや「ろくに」よりも「まったく」と言った方が正しい。なのに紙面上で浮かび上がるアリのプレーに胸が熱くなるのは何故だろう。それは彼の全身全霊の走りが「意味をしらないアメフト用語」や「ルール」さえもガンガンなぎ倒し、純度の高い青さを目の前に叩きつけてくれたからかもしれない。清々しい読後感とひとさじの切なさが珍来の料理のようにクセになりそうな作品だった。
明屋書店下関長府店
南隆大
部活青春ものは昔は大好きだったのに年齢を重ねるたびに手が伸びなくなってきた今、プルーフを頂き、再びこのジャンルに触れる機会が出来て嬉しく思います。
当時OGで高校の部活に顔を出すことが多かった私は後輩たちに説教を垂れたことがありました。未だに要らないことしたかなと時々思い出しては落ち込むことがあったのですが、アリが負の感情を跳ね除けながら後輩にぶち当たる覚悟を決める姿を見て、当時の自分が成仏できたように感じました。ありがとうございました!
TSUTAYA西宝店
楠木亜梨沙
「アメフトのポジションとかルールをおぼえて、もう一回読まなくては!」と棚卸し翌日(徹夜)の寝ぼけた頭で後半一気に読み終えたことを少し後悔しています。小説に爽快な読後感とかあるの? と思っていたおじさん(著者と同年代)は微妙なコンディションながら、なんか爽快な読後感をおぼえて興奮しています。
ほんの数ヶ月のこと、アリが揺れて、イタくて、動いてぶつかって、痛くて、固くなって、気がついて、これが成長というのか知らないけど悪くないよなという感じで前を向く物語はヒップホップの楽曲よろしく、終わったとこらから、また新しくはじまる。アメフトのあれやこれやがわからなくてもアリや河瀬、チームメイトの横で試合を眺めるように読むだけでも臨場感は味わえると思います。
作中の楽曲も聴いたことないのを聴いてみたりする楽しみも。プルーフありがとうございました。本、出たら購入します。
明屋書店石井店
田邊慶太
迷い、もがきながら突き進む高校最後の数か月。10代の何とも云えないモヤモヤや、体内に眠る、いつ爆発するか未知数のマグマのようなエネルギーは熱い!! 熱かったです。The青春でした。
高知蔦屋
吉野りえ
アメフトのルールは全くわからないけれど「今の時代だと“イタイ奴”で終わりそう! でも楽しい」という若林さんの言葉に惹かれて読ませていただきました。
私は運動が苦手でスポーツに熱中したことがなくずっと帰宅部でした。だから中村のような自分とは違うタイプだと決めつけていたのですが、読み進めるうちに共感できる部分がどんどん見つかり彼と少しだけ話してみたくなりました。初めての遼西との試合で勝てるのではという期待や恐怖を抱きながら河瀬の声を聞いて頭の中がぐちゃぐちゃになっている様子にスポーツは運動神経だけじゃないんだな...と思いました。そこまで必死に考えている中でのアオテンはどれほど恥ずかしいのか...。その後、未成年なのに飲酒やたばこ、警察沙汰になる姿の方が客観的にはよっぽど恥ずかしい気がするのですが中村にとってにアオテンはそれと同じかむしろそれ以上の屈辱なのだと感じました。中村は人づきあいが苦手なタイプではなさそうで、自分の立ち位置を確認していました。アメフトは言葉以外の方法で誰かとぶつかり合ったり、心を通わせたりできるコミュニケーションが苦手な人にとって手段になる中村にとっての大切な手段なんだと思いました。試合には負けたけれど伊部に空を見せることができたこと...。第4Qでは涙があふれてきてとにかく中村を応援していました。いろんな人の生き方や考え方、思想や哲学を学んでいる姿もちょっと意外で中村の自分探しを通して自分も一緒に成長している気持ちになりました。先生との関係性大好きです。みんなとアメフトに取り組む姿は苦しそうだけど楽しそうでちゃんと生きてる。人は何者かになりたがったり、誰かを決めつけたりするけれど何者かになることではなく、何かに夢中になることこそが青春なのではないか。そんなことを考えさせてくれる作品でした。本当にありがとうございました。
六本松蔦屋書店
匿名希望
“イタイ奴”では終わらない、全力疾走青春小説!
アメフト部に所属する高3男子の「アリ」。引退大会も負け、受験も身が入らない。空振りしながらもがき続ける、彼の心情がやるせなく伝わってきました。何だかうまくいかない。やる気がでない。全くさえない。しかし、そんな気持ちを乗り越えてリスタートしていく姿に、私の胸も熱く燃えました!
諦めない気持ちが、進みゆく1秒後の未来を開いていくクライマックスに興奮が最高潮! まるで、全身にエネルギッシュなパワーがみなぎっていくようです。こんなにも熱量マックスな青春を体験してみたい! メランコリックな心が打ち砕かれ、情熱がほとばしるジュブナイル小説。読み終えた後、目の前にどこまでも続くフレッシュな青天が広がりました! 夢に向かってもう一度ジャンプしていく、若々しい煌めきに包まれる素敵な作品を拝読させて頂き、誠にありがとうございました!
ビバ! 青天! 最高の極みでした!\(^o^)/
紀伊國屋書店福岡本店
宗岡敦子
アメフトの知識がなくルールもわからないのですが、それでも伝わってくる熱気と本気。めちゃくちゃおもしろかったです!
主人公アリの、どこまでも泥臭くて青臭いところ。中途半端に悪ぶって、でもやっぱりアメフトに正面から向き合うところ。好きです、応援したくなる。かっこ悪くてもいいじゃない。チームメイトと飯食ってる時、朝練に励んでいる時、頭を剃った時…そのすべての瞬間がキラキラと眩しい。また、自分自身の学生時代の空気感ともリンクしていて、(学校で開けるピアス痛いよなぁ、ポケット中身、わかるよ)~ちょっとむず痒くもなりました。笑。アメフトってこんなに殺気立つスポーツなのかとヒリヒリしながらも、個性が光るキャラクターたちと一緒に、めいっぱい楽しめました! 読ませていただき、ありがとうございました!
TSUTAYAサンリブ宗像店
渡部知華
なんって青春!!!!!
何者かになりたい憧れと何者にもなれない現実で腐ってた高3なんてその辺にゴロゴロいる。だからこそ、この小説が届く。私たちはもう大人だから、その青春はすでに経験したから分かる。貴重で替えの利かないその時間を存分にもがくべきだ、と。一生懸命、をやったことない自分に自信が無いから、自分を信じられないから友人も信じられない。羨ましいと悔しいはとても親しい感情だ。拭えない鬱憤が胸に湧くこともある。将来なんて見えなくて未来が想像できないあの頃の不安。妙に深い孤独があった。その頃の地に足が着かない感じが鮮明に書いてあった。
アリがもう一度アメフトやってみよう、と思えたことがすごく嬉しかった。決断にはエネルギーを使う。動き出した勇気が嬉しかった。朝練を続けて成長したことにしみじみと感激した。大人は、続けることがなにより難しいと知っているから。
学生と社会人の狭間は大きいと思ってた。でも当たり前に地続きの人生だ。楽しくて甘酸っぱくて少し恥ずかしい青春を懐かしく思い出した。
福岡金文堂 志摩店
伊賀理江子
若かりし頃、友人がアメフトをやっていてルールを覚えて試合を見るのも面白くなった。あれから時が経ち、もうすっかりルールもポジションの役割も忘れてしまった頃に出会ったこの作品。クォーターバックって何年ぶりに聞いたかな。確かチームのブレーン的なポジションじゃなかったかな。読み始めはそんなこと思いながら、そのうちわけわからなくても没入していって、読み終わっていた。最後の6ページ。圧巻。眼前に映像が立ち現れた。面白い作品の証。胸がぎゅっと締めつけられる感じ。
六本松 蔦屋書店
峯多美子
何かに一生懸命になる姿は、他人には、時にダサくて格好悪く見えてしまうかもしれない。でも、一生懸命に打ち込んだものしか得られない感動、喜び、楽しさが、そこにはある。一度しかない青春時代に、本気で好きなことにぶつかっていく姿が眩しくて、羨ましかった。
丸善博多店
篠崎里絵
1999年の音楽もアメフトのルールも、正直全然わからない。 でも、そんなの関係ないくらい熱かった。一つのことに本気でぶつかって、泥まみれになって、自分を証明しようとする。そんな姿が、理屈抜きにただただかっこいい。
専門用語の壁を超えて、本気で生きる人間の体温が伝わってくる。 何かを全力で愛したことがある人、夢中になったことがある人には、絶対に読んでほしい。
読み終わったあと、なんだか自分も全力で走り出したくなる1冊です。
福岡金文堂姪浜南店
小野聡史
アメフトミリしらでも楽しめるところが、さすが若林さんだ……と思います。学生時代の無敵感とナーバスさ、覚えがありすぎてダメージを受けつつ一気読みしました! 言葉のリズムなのか、ヒップホップのリリックのようなものなのか、躍動感や臨場感を感じながら読みました。
くまざわ書店小倉店
竹越孝治
最初はアメフトを知らないと楽しめない小説かなと少し不安になりましたが、読み進めていくといつの間にかそんなことは気にならないほど物語に夢中になっていました。すべてが中途半端だったアリが倫理のおもしろさに気付いて、アメフトに真剣に向き合っていく。そのなかで自分自身とも向き合い、人と本気でぶつかっていく姿、そして紡ぐ言葉がすごく胸に刺さりました。刺さった箇所に付箋を貼りながら読んでいたら後半は付箋でいっぱいになりました。
また芸人さんらしく笑える所も多くて、なんの前触れもなく碇シンジくんや安西先生が出てきてこのネタはズルいなぁと思ったり、同じ世代で良かったなぁと思わず笑ってしまいました。
学生時代に誰もが少なからず感じたことのある、自由でいたいのに自由が何かわからないイライラだったり、自分がどうしたいのかどうなりたいのかわからない不安だったりを丁寧に描いて昇華してあるすごくいい青春小説だったと思います。そして青春小説にとどまらず人生の教科書のような小説だったと思います。本当に面白い小説でした。素敵な作品をありがとうございました。
TSUTAYAココアドバンス大村店
松村麻沙美
面白い! 言葉のリズムが心地よく、テンポよく読み進められました。
アメフトの描写が楽しくて、特に試合中のシーンは引き込まれてしまいます。アメフトの用語が分からなくてもスピード感やスリルを十分に文章で味わうことができて、例えば「詳しくルールを知らないスポーツでも観ている内に自然と熱くなって夢中になる」ような、そんな感覚にさせてくれました。主人公のアリの姿がとてもリアルに思えました。この年代特有の、自分の目指しているものが分からず、ぶつける先を見失った感情やエネルギーをもてあまし、悩んで苦しむ様子に自分の若い頃を思い出しました。恋愛要素は、気持ちいいぐらい一切なし! そこが最高です。
HMV&BOOKS OKINAWA
中目太郎
【書店名非公表】
アメフト、一度見に行ったくらいで、何にもわかってません! だけど、高校生の必死でかっこ悪くて泥だらけの生臭さが沸き立ってきて、なんだかわからないけど夢中で一冊を駆け抜けました。
強いものが勝つ。それは勝負の世界として当然のことで、そこは情けも事情も無関係。弱いヤツが吠えたところで勝ち負けに関係ない。それは明らか。だけど、食らいつくくらいはしたっていい。紆余曲折の彼らが最後に見上げた青天は、きっとこれからの人生で何度も思い出す景色なんだろう。それは、何故「頑張る」のかという問いの答えのひとつなのかもしれないと思うと、青春をとっくに通り過ぎた私は羨ましくなりました。
“楽しむ権利を得るための義務を誰も果たしてない”チームと対立するのを覚悟で、チームのために自分の言葉をしっかり伝えるアリが魅力的でした。言葉で伝えられない時には行動で伝える姿にも勇気をもらいました。哲学にも興味を持ちまっすぐな心を持つアリは全然“イタい奴”ではなかったです!
のっけから主人公が迷彩服に身を包み雑木林で息を潜めている青春小説。いやそれ青春小説? あまり読まないジャンルだけれど王道的展開ではなさそう、と思いながらアリの「アメフト」という青春の山に分け入っていく。
散りばめられた固有名詞にドンピシャな世代ではないけれど、ハマった音楽にプチプラのブランド、見て聴いた深夜番組やラジオなどなど、読む人それぞれの青春を併走してくれたモノが視えて楽しい。
青春時代はどうせみんな「イタい奴」であり、思い出として保存したくない経験も忘れたい事も山ほどあった筈。なのに大人になってから街角で学生さん方を見た時「楽しそうでいいなあ、輝いているなあ」なんて身勝手に眩しがっている。アリが考える事感じる事を追っかけながら学生の時のぐるぐる捻れた感情が「忘れてくれるなよ」と自分の奥底から湧き上がる感じがして、ちょっと泣いたし最後は脳内に青が炸裂した。ナナメでもエモでもない素敵な激烈王道青春小説でした。
おもしろかったです!!!!!!!!!!!!
終わりだ終わり、冒頭のタイトルが若林さんの声で聞こえ、あぁ始まる若林さん初の小説が始まるぞと期待膨らませ読ませていただきました。
アメフトのことを1ミリも知らないことが悔やまれる試合シーン、迷走する日々、振り出しに戻ってアメフト部に復帰するアリ、どのシーンもよくて青春がじわっと染み渡る。最後、あれ、なんか涙出てるわと気がつけば泣いていました。
それにしても青天、素敵なタイトルだなぁ
青春とか夢とか、ついでに実存とか本質やらの言葉たち。それに加えて名付けることがままならない感情とか。わからないだらけの中、もがきながらも全力で走っていく日々の愛おしさが詰まった小説が面白くないはずがないです!
いつ映像化されるんでしょうか。いまから楽しみです。
アリにとってこの本気の時間が人生の味方になっていますようにと願いながら本を閉じました。学生時代の楽しさだけではない、人間関係の距離感、嫉妬や気まずさ、葛藤に途中読んでいて苦しくなる場面もありましたが読み進める手が止まらず物語を一気に駆け抜けました。
「自分にはなにもない」という壁に気づいた時、どう行動するか、行動できるか。そもそもその事実に気づけるひとがどれくらいいるのでしょうか。
友人、後輩、そして何より自分自身とぶつかって、砕けて、それでも立ち上がって諦めずに進むんでいくアリがとても眩しいです。何かに夢中になる、一生懸命になるってやっぱりかっこいいですね。一度でも「自分には何もない」と感じたひとにぜひ読んでほしい小説です。
私とは部活も世代も少し違うのですが、35年近く前の自分の高校時代がフラッシュバックしてきました。
今思えば青臭いなあと思いますが、あの時は学校生活(部活、友達、恋愛)が世界の全てで、特に運動部にいると「引退」してしまうとなんと見えない空虚感。あえて目をつむっていた進路とか受験とか急に現実として現れる焦りなんかを覚えたことを思い出します。
そんな中で、強豪校に惨敗し、急に引退や進路という現実を受け入れられずなんとなく空虚な毎日を過ごす中で、このままでは終われないと自分の中でやり残した「後悔」、自分は何者なのかとういう「存在意義」や「誇り」を取り戻すために、復帰するというアリはとても勇気がいることだと思います。復帰後のトレーニングの中で、自身を取りもどし、確執や衝突を繰り返しながら後輩たちを巻き込んでチームが一つになっていく展開や秋の大会の初戦、池ノ上学園との対戦はアメフトを詳しくない私でも、試合が経過するごとに鳥肌が立ちました。最後には再び陵西学園に大差で負けてしまうけど、依然の大敗とは違う、ある種清々しい感情残ったのは、やはりたとえ負ける運命にあったとしても全力を尽くすことの大切さを、またその運命を楽しんだ結果なのではないでしょうか。
一生に一度しかないこの年代はとても眩しくて、貴重な瞬間だなと改めて思うし、今どきの高校生はこんな眩しい体験ができていたらいいなあとも思いました。
あらすじを読んだ時、過去に自分がやっていたスポーツを題材にした、よくあるスポーツ青春小説かなと、正直舐めていました。読みはじめはアメフトのルールもポジションもわからず、作中に登場する音楽も全然わからず、なかなかページが進みませんでした。これは自分には無理かも…と第1Qまで読んだところで諦めかけていたのですが、若林さんの初小説をここでやめていいのか…!? と夫に説得され、アメフトのことは夫に教えてもらいながら読み進めました。(でも結局アメフトのポジションもルールも覚えられませんでした。夫よ、教えてくれたのに申し訳ない……)
そんなこんなで、第2Q、第3Qと読み進めていったのですが、途中からは夫の励ましなしでどんどん読むことができ、最後まで読んだ時には“あそこで読むのを諦めなくてよかったー!”と心の底から思いました。
よくあるスポーツ青春小説か、なんて思った自分が恥ずかしい……。
一度引退したアリがアメフト部に戻り、後輩たちと向き合い、ぶつかっていく姿はまわりから見たら確かにイタいのかもしれない。未練がましくかっこ悪いと思われるのかもしれない。
それでも覚悟を決めて自分を貫く姿は、その想いは、自分のためだけじゃなく、後輩のため、チームのために繋がっていく。自分と向き合い、人と本気でぶつかっていくアリの姿がとてもかっこよかったです。打ちのめされて苦しくなった時、この本を開けばまた立ち上がれる、そう思わせてくれる1冊でした。
主人公アリに共感できるところが多くて、部活をやってたあの頃の悶々とした気持ちが蘇った。弱さを認めて地道に這い上がっていくアリを、応援するような気持ちで一気に読み進めてしまいました。
アメフトのルールがわからなくても情景が浮かぶし、登場人物も魅力的。途中に出てくる哲学の話も面白かった。大人になった今も、「考えること」「もがくこと」はやめたくないなぁと思う。
ド真ん中青春!!!!!!
オードリーの若林さんのエッセイはいくつか読んだことがあったので、一体どんな小説になるのかとウキウキとしていました。スポーツにかける思いは当たり前だけど楽しいだけじゃなくて、というより苦しい方が多くて、傍から見たらダサい、イタいと思われてしまうこともある。
それでもスポーツをしてきた人にしかわからない思いがきっとあると思う。そんなことを思い出させてくれました。ありがとうございました
青春突っ走り感サイコーの元気が出るお話でした。若林さんがアドレナリンを放出しながら執筆している姿を想像せずにはいられませんでした。最後にカミュを語っていたのは、読書通の若林さんらしいくだりでした。この原作脚本で若林監督による映画なんてありそうですね。
若林さんのエッセイは好きで新刊が出ると読んでいましたがまさか小説を書かれるとは思っていなかったので、ビックリ&うれしいお知らせでした。ワクワクしながら読みましたが、ずっとそのワクワク・ドキドキが持続したままあっという間に読み終えていました。読み始めはアメフトの知識が無いと理解しがたいかな~と思っていましたが、肝はそこではなく、思春期特有の人間関係だったり、悩みの部分だったのでルールが分かっていなくても、つまづく事なく読み切れました(本当は知識があった方がより面白く読めるのだろうとは思いますが )自分は若林さんと世代が近いので、体育会系のこのカンジに懐かしさを覚えましたが、今の世代の子はどう感じるのだろう?? 分からないけれど、この物語が持つ独特な熱さはどの世代にもきっと伝わるんじゃないかな。少年マンガの王道じゃない方のドラマをこんなに面白く書ける若林さんはやっぱりすごいなと思いました。
ムダな事をしている、回り道をしている、バカだったと言ってしまえばそうだけども、それが若さだ青春だと言いきれる青春などとっくに過ぎてしまった大人でも、久々に真っ直ぐな文字通りに泥臭い青春小説を読んだ。









不器用だけど、アリの一心不乱に打ち込む姿。
ただ一つを追いかけて、突っ走る姿。カッコイイと思いました。
アメフト知らない私でも、凄く楽しめました。
宮脇書店境港店
林雅子