4月5日、漫画家でエッセイストの東海林さだおさんが、心不全のため88歳で亡くなった。東海林さんは「週刊文春」で57年8カ月にわたり、漫画『タンマ君』を連載していた。

 昨年10月には、最終回を記念したムック本が刊行され、タンマ君ファンから熱いメッセージの数々が寄せられていた。以下、当時のメッセージを紹介した記事を再公開する。(初出=「文春オンライン」2025年12月13日配信)

東海林さだおさん ©︎文藝春秋

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有終の美を飾ったタンマ君

 10月30日、東海林さだおさんの米寿の誕生日に発売された文春ムック『丸ごと1冊「タンマ君」退職記念特別号』。「週刊文春」での57年8カ月に及ぶ長期連載が2025年9月4日号で最終回となったことを機に刊行となったこのムックは、タンマ君と共にサラリーマン生活を送り、定年退職をされた60代の男性を中心によく売れて重版も決定、読者からのお便りもたくさん届いています。

傑作漫画がまとめて読める

 そこで今回は、タンマ君ファンの皆様からの熱いメッセージの一部を紹介しながら、「タンマ君」がこれほど長く愛された秘密に迫ります。

 まず、ファンから届いたメッセージを一部ご紹介します。

◾️タンマ君はいつも明るくて、純粋。「タンマ君」を読むと、自己肯定感が高まります。こんな人が職場にいたら逆に励みになるだろうなと思います。そう考えると、タンマ君は上司になれる素質もあるのでは? タンマ君は永久に不滅です!

 

◾️四十数年前から「週刊文春」を購読するようになり、「タンマ君」と共にサラリーマン生活を歩んできました。私は一足先に昨年6月に退職しましたが、嫌なことがあっても、心の中で「グヤジー!」と叫ぶことでストレス解消をしていました。東海林さん、どうか健康に留意されて私ども読者を引き続き楽しませてください。

 

◾️最終回で、いつもは飄々としているタンマ君が号泣していて「あぁ、やっぱり終わってしまうんだなぁ」と、こちらも思わず落涙しました。上司や同僚との密な距離感、令和になってもずっと続くと思っていました。ハードな「週刊文春」の中で、「タンマ君」はオアシスのような存在でした。

 

◾️東海林さだお様、タンマ君、おつかれさまでした。サラリーマンでもない東海林先生がどうしてサラリーマンの「あるある」を描けるのか謎でしたが、日常の人間行動(アイデア)をネタ帳としてスケッチブックに描かれておられたことがわかり、納得しました。自分の足で集めたネタだから、説得力があって楽しいのだと思いました。

タンマ君と一緒に定年を迎えました

◾️タンマ君との出会いは小学生の頃……当時、サラリーマンだった父が買ってくる「週刊文春」=「タンマ君」がとても楽しみでした。はじめはわからなかった他の記事も、その後、少しずつ内容が理解できるようになり、読み始めましたが、最初に開くページは五十数年変わらず「タンマ君」だったので、今はとてもさみしいです……。私は今年3月に定年を迎え、四十数年のサラリーウーマン生活を終えました。タンマ君と同じ年に卒業できたこと、勝手に縁を感じています。

 

◾️私もサラリーマンとして元気がないとき、疲れているときに読む「タンマ君」でクスッと笑わせていただきました! あのふとした瞬間の笑いから、どれほどの勇気とパワーをもらっていたかわかりません。感謝しています。ほんとうにありがとうございました。

 

◾️私が生まれる前から始まっていた「タンマ君」。年上のお兄さん、先輩、同僚、後輩……とどんどん立場が変わり、今では息子といっても過言ではありません(笑)。今でも文春を買うとタンマ君を探してしまいます。先生、いつまでもお元気で!

本ムックのために描き下ろした扉絵と記念すべき連載第1回

生まれる前のネタから懐かしいネタ、時事ネタまで…

 ……ほかにも「サラリーマンの悲哀を笑い飛ばすタンマ君に元気をもらった」「世相を的確に捉えていた『タンマ君』は面白かった」といったお便りをたくさんいただきました。中には、「タイトルの左端にあるイラスト(みかん、ブリーフなど)がいつも気になっていました」なんてメッセージも。

 実は私(編集担当)も、このタイトル横の小さなカットに長年注目をしておりまして……。本ムックに載っている東海林さんがコロナ禍に描かれたタイトル横のカット「マスクをしている東京都知事」の似顔絵が最高なので、ご覧いただきたいです。

時事や社会が反映されているところも「タンマ君」の魅力

◾️生まれる前のネタから懐かしいネタ、時事ネタで、そのときの流行などがわかり、今回のムックはとてもありがたい一冊になりました。スペシャル付録の名刺も嬉しく、永久保存版として大切に読ませていただきます。