インタビューほか

傷心と喪失の"その後"を生きるために

「本の話」編集部

『ときぐすり』 (畠中恵 著)

清十郎と吉五郎の意外な女難

畠中 女たらしの清十郎に何か女難が降りかかる――ということは以前から考えていました。町名主の職を継いだ手前、そろそろ縁談をして身を固めなければならないことは、清十郎もわかっていたはずです。親戚達もうるさく迫ってくるし、縁談をまとめれば持参金の1割が手に入るので、仲人達も話を沢山もってきます。健康で適齢期の町名主との縁談なら、持参金はかなりの額になったでしょうからね。

――親類から強く嫁取りを迫られた日に、清十郎は失踪します。麻之助は吉五郎と一緒に清十郎を探そうとしますが、吉五郎はお役目でも忙しく、探索に専念できません。さらに麻之助は両国の貞からも面倒な頼みごとをされて……。ここら辺りから、だんだんと麻之助が忙しくなってきますね。

畠中 立場上、麻之助は忙しくならざるを得ません。お寿ずを失った悲しみから完全に回復はしていませんが、時間が経つにつれ、それは嫌でも薄れてゆくはず。それにいつまでもめそめそしていたら、周りの人間も困りますからね。忙しくしているくらいのほうがいいんですよ。

――清十郎が遺した書き損じの文言を手掛かりに複数の謎が氷解、清十郎の失恋もその全貌がわかります。

畠中 「女性に声もかけられないって、なんなんだ清十郎さん!」と言いたいですね(笑)。これからも清十郎の嫁取りに関しては、いろいろなことが起こると思います。

【次ページ】麻之助とおこ乃の「これから」は?

ときぐすり畠中恵

定価:本体1,400円+税発売日:2013年05月29日


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