2015.06.29 書評

人気料理家3人のおいしい!が
1冊で味わえる奇跡のごちそう帖

文: 高橋 良枝 (『日々』編集長)

『「日々」のごちそう帖』 (高橋良枝 著)

『日々』という雑誌は、50ページにも満たないささやかな雑誌です。スポンサーもなく、広告も入っていない。その雑誌が10年の歳月を重ねてきたことが、おおげさにいえば、奇跡のようにも思います。その結実として『「日々」のごちそう帖』が生まれました。

 10年間積み重ねた「おいしい」が、1冊に詰まった『「日々」のごちそう帖』は、3人の人気料理家の個性の競演になっています。海辺の町で暮らす飛田和緒さんは「魚料理」、イタリア各地の料理を学んできた細川亜衣さんは「野菜料理」。そしてフランス料理店で修業をした坂田阿希子さんは「肉料理」、というように、食材別に並んだ料理は、はからずも3人の料理の個性が際立つ構成になりました。

夏みかん酢の五目寿司(高橋良枝) photo:日置武晴
ひともじのオイル蒸し(細川亜衣)   photo:日置武晴

『日々』は10年も歩んできたのに、何年か前まで登場する料理家は、ほぼ飛田和緒さんと細川亜衣さんのお二人でした。3年ほど前に坂田阿希子さんにお願いして、このお三方が『日々』の「おいしい」を支えてくださったのです。

 飛田和緒さんは今や、料理家としてはベテランの域に達していますが、私が出会ったのは16年前。彼女のはじめての著作『うちにきて ごはん食べようよ』(講談社)の企画、編集を私がしたご縁でした。光栄なことに飛田和緒という料理家の歩みをずっと見て来たことになります。細川亜衣さんは『日々』創刊のちょっと前にお会いしたのが最初でした。彼女もまだ1冊の著作も出していませんでした。その後のお二人の活躍、躍進は素晴らしい限りです。10年という歳月は、誕生した子どもが10歳になるだけでなく、すごい才能、人材を育てるに足る歳月でもあるのだと、しみじみ実感するのです。

【次ページ】わいわい、がやがや、ぱくぱく、ぐびぐび

「日々」のごちそう帖
高橋良枝・著

定価:本体1,800円+税 発売日:2015年06月08日

詳しい内容はこちら



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