- 2014.09.02
- 書評
『仕事が変わる「魔法の言葉」
名経営者たち73の教え』はしがき
文:江波戸 哲夫
『仕事が変わる「魔法の言葉」 名経営者たち73の教え』 (江波戸哲夫 著)
出典 : #文春文庫
ジャンル :
#政治・経済・ビジネス
いま多くの「仕事」は、厳しいノルマとか、無茶くちゃな忙しさとか、理不尽な評価などで息苦しいところに押し込められ、一番の原点が見えにくくなっているようだ。
一番の原点とは「仕事は社会の必要を満たし、人々の望みをかなえてあげることである」ということだ。つまり「誰かが差し伸べている手に、その人が求めているモノを乗せてあげる」ことなのだ。
ここをしっかり見てとることができれば、うるさい上司も綱渡りのスケジュールも乗り越えて、仕事にやりがいを感じ、仕事を好きになれるだろう。
『青い鳥』のチルチル・ミチルを思い出すまでもなく、あちらこちらを探し回って好きになれる仕事に行きつくのではなく、捉え方ひとつで、たまたま出会ったいま目の前にある仕事を好きになれるのだ。
好きであれば打ち込むことができる、
打ち込むことができれば熟達もする、
熟達すればますます好きになる、
そういういい循環が目の前から始まる。
実のところ、人は出会う前から何かに打ち込みたいという潜在的意識をもっている、その意識がたまたま出会った仕事に打ち込ませるのだ。
特別な人にそういう意識が授けられているわけではない。人は誰でもそういう意識を持っている。
この本にはそれが並外れて強く、ずっと仕事の一番の原点に衝き動かされてきた経営者たちが口にした、より深く、より楽しく、より納得できる仕事をするのに役立つに違いない言葉=〈経営至言〉を選び抜いてある。
それらが、魔法の呪文のようにあなたと仕事の関係をもっと素敵なものにしてくれることを願っている。
2014年6月9日 江波戸哲夫