イメージと実物のギャップやいかに!?
――2014年12月に開催された第1回の講演会と親睦会で、初めて岡田さんに会われたときの印象はいかがでしたか?
中山 その前から岡田さんご自身に興味があって、フェイスブックでお友達にはなっていたのですが……イメージ通りというか、想像以上にチャーミングな方でした。
池原 僕、岡田さんのブログを見て、会ってみたいなぁと思ったんです。岡田さんは小柄であちこち跳ねて歩き回りながら話してて……確かに本のイメージ通りでした。
角田 私は、親睦会で岡田さんが自分で受付をしたり、チョコチョコ走り回って指示を出したりしていたので、「主役がこんな事務的なことしてたらダメですよー」って、あわてて受付のお手伝いをしたのが最初です(笑)。ああもう、ほうっておけない!っていう感じで。
中山 その後も何度か講演会や親睦会をしてますが、集まる人たち――みんな不思議なエナジーに満ちていますよね。1人で参加しても全然大丈夫ですし、このシリーズを好きな人同士が集まって同じ空気感を共有している感じが、とても良いなあ、と。
池原 読者の人が呼びかけて、ファンクラブもできた。2年のうちにどんどん輪が広がってますよね。
――読者は若い女性が中心かと思いきや、年齢層は幅広いし、男性も結構多いです。
池原 このシリーズ、書いてあること自体は、骨太だと思うんです。
中山 その時々の時事に絡ませて、わかりやすく伝えてくれるところは、ジャーナリストの岡田さんならでは、ですよね。岡田さん自身が伝えたいことがはっきりとあるから、それが読者にもダイレクトに伝わってくる。特に新刊の『魔法の約束』は、全面に岡田さんが感じられて、本当に大満足でした。魅力的な人にはついのめりこんでしまうのですが、岡田さんには吸い込まれてしまいますね……。
角田 どんな人の人生にもドラマがあって、岡田さんはそれを見つけて光を当てるのがうまいんだと思います。何気なく過ぎていく日々が、岡田さんのフィルターを通すと素晴らしい瞬間に輝いて、切り取られるんですよね。
――新刊『魔法の約束』のお話が出たところで、読まれた感想をお聞かせください。
中山 トランプ大統領候補や歌舞伎の話、韓国系の先生、硫黄島で日本兵と戦ったドンさんの話など、一見エピソードがバラバラなようでいて、みんな1つの線でつながっている。最後はもう、涙なくしてはページをめくれませんでした。
池原 最終章の「出会い、再会、そして別れ」に書かれた、ドンさんと岡田さんとの16年にわたるやりとり――世代によって戦争との関わり方は違ってくるけれど、ドンさんの長年の思いを岡田さんが溶かし、岡田さんの思いをドンさんが溶かしていくでしょう。最後に病床のドンさんの元へ、日本から2日かけて飛行機とバスに乗って向かうところなんて、まるでロードムービーだよね。
角田 この本を手に取る人は、最初「ニューヨーク」というキーワードに惹かれるんだと思いますが、読むうちに岡田さんの繰り出す魔法に、夢中になるんだと思います。みんなエピソードのお気に入りのワンフレーズを、心の中に大切に置いておくんじゃないかしら。ストーリーも、笑えるシーンと泣けるシーンが随所に織り込まれていて、1冊読むとまた次も読みたくなって。重なる登場人物がいて、この人誰だっけ?と振り返ったり……。『魔法の約束』は、その全部の集大成という感じがしましたね。
戦争に関する話も、避けては通れないことだし、ここにきて機が熟して書かれたのかなあと、すごく思いました。
中山 岡田さん自身が大切にしているものが、今回はたくさん出てきていますよね。プレッツェルのおじさんとイエローキャブの人のキューピッドになろうかなと、他には、盆栽に水をやらないで「あなた、それでも日本人?」と言われるところは、もう岡田さんの様子が目に浮かぶようです(笑)。
角田 そうそう、ビリー・ジョエルのコンサートでピョンピョンしているところとか、騎馬警官を追いかけるところとかも!
中山 あと「夫の追っかけ」に書かれた「できるだけあなたと一緒にいたい」という気持がもう……。すべてが救われるような気分になります。私事ではありますが、実は最近、以前おつき合いしていた方と、再会しまして。その人と初めてデートしたときに、岡田さんの本を渡したことがあり……。ああ、さすが、「ニューヨークの魔法」はとけない、とけてはなかったわ!って。
一同 それはすごい!
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