――それぞれお気に入りの登場人物がいるかと思うのですが。
中山 ゲイルやマリーパットが大好きです。岡田さんの生活のなかに、すーっと自然に登場してくる。まるで家族みたいに。キャラクターがどんどん濃くなっていくところが、いいですね。
角田 私はサラとビル。医療ミスで首から下が不随になって、身体を自分で動かせなくなったビルが、それでも“Life is good” ――前向きに生きていくところ。ビルが亡くなったあと、サラが少しずつ立ち直っていくところも、よかったですね。
池原 登場人物と言えるのか……岡田さんの御主人・塩崎さんの動きも、見えてくるよね。いつ出てくるかなあって、いつも楽しみで。
角田 あ、私も。「好きな登場人物」ナンバー1は、岡田・塩崎夫妻で、決まりですね!
――最後に、これからの「ニューヨークの魔法」シリーズに願うこと、思うことをお願いします。
池原 ニューヨークに暮したとき、義父の看病で家族が日本に戻っていて、1人でいた期間があったんです。ある日それまで話したこともなかった、隣家のトムさんという人が、「うちに来いよ」って声をかけてくれた。1人で居るのを察したんでしょうね。とても嬉しかったです。アメリカでは、他にも感謝したり恩に感じていることがたくさんある。それを岡田さんの本を通して、いま追体験している。こんどは自分が恩返しをしていきたいなあという気持が、ありますね。
中山 岡田さんのエッセイは、本当にドキュメンタリーですよね。映像でも見てみたいよ~といつも思います。あたりまえの日常の中に特別なものがある――いま自分が取り組んでいる物語でも、それを見習って伝えていきたいです。
角田 『魔法の約束』の解説で加藤タキさんも書かれていましたけれど、岡田さんの写真展はいつか見てみたいですよね。あとニューヨークだけでなくて、東京の魔法、パリの魔法とか――世界各地の魔法を読んでみたい!
池原 そうだね。そしてどんな場所を描いても、最後はニューヨークという街に集約されてくる。ファンの1人としては、これからもどんどんどんどん、新しい魔法を見せていってほしいですね。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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