「理系男だから、モテない」
これは、うちの“理系クン”こと、夫のN島クンの口癖です。彼がいうには、
1 理系分野の学部や職場には女性が少ない。
2 理系の仕事は忙しく、女性と知り合う機会がめったにない。
3 女性に対する免疫がなく、どんなふうに接したらいいのかが解らない。
以上3つが、モテない理由です。いざ女性と会う機会があっても、妙に距離をとってしまったり、逆に距離を縮めようとして、馴れ馴れしくしすぎて、嫌われたり。
しかし……果たしてそうでしょうか?
私はいつも、彼の定義――理系男だから、モテない――に異議を唱えています。なぜって? それは私自身が“そんな不器用な理系クン”が大好きだからです!
読者の皆様は「そんなマニアックな趣味はアンタだけでしょ」ってつっこみますか?
乱れの一切ない敬語のメール
それでは“理系クンと非理系ちゃん”の交際の具体例を、友人であるEちゃんのケースでのぞき見してみましょう。
Eちゃんは今から半年前、知人の紹介でA君と知り合いました。A君は中学から男子校育ち、真面目で優秀、いわゆるエリート工学系大学出身。現在、研究職の27歳。生粋の理系男です。かたや工学なんてかじったことも無い、文系女子Eちゃん25歳。
初対面の席で、とりあえず2人は携帯のメールアドレスを交換しました。Eちゃんがメッセージを送信すると、A君からもキチンと返信があります。携帯のディスプレイには、キチンとした敬語で乱れの一切ない真面目な文章が映しだされるのでした。
それから3ケ月後のこと。2人のメールは途切れることなく続いていました。まだまだシッカリ敬語のA君と、それに合わせて敬語で返信するEちゃん。
ある日、Eちゃんは「今月はA君の誕生月なので一緒に食事に行きましょう」と誘ってみました。胸を弾ませて、おしゃれをし、待ち合わせ場所に行くと、約束した時間きっかりにA君はやってきました。
ランチをした後、映画をみて、面白かったねーなどと話しながら映画館を出ました。この後は何も予定が決まっておらず、「夕飯にはまだ早いし、どこへ行くのかな」とEちゃんが思っていると、「東急ハンズが近いから寄ってみようか」とA君。
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