2013.10.08 インタビュー・対談

スティーヴン・キング 恐怖の帝王、ケネディ暗殺を描く

『11/22/63』上下 (スティーヴン・キング 著)

 スティーヴン・キングの新作長編『11/22/63(イチイチニイニイロクサン)』。この謎めいた題名は「1963年11月22日」――ジョン・F・ケネディがダラスで暗殺された日を意味する。知人から1958年に通じるタイムトンネルの存在を教えられた高校教師が、過去へ旅してケネディ暗殺阻止を目論む物語なのだ。  国際スリラー作家協会最優秀長編賞とLAタイムズ文学賞ミステリー部門の2冠に輝き、英国幻想文学賞とローカス賞SF長編部門の最終候補作に選ばれた、巨匠の新たなる代表作。その創作の内幕について、キング自身が語った。


 

――ケネディが暗殺されたときは、どこにいましたか?

スティーヴン・キング(以下SK)  暗殺を知ったとき、わたしは霊柩車に乗っていました。わたしは高校生だったんですが、スクールバスがなかったんですね。ところが霊柩車をスクールバス風に改造したひとがいたので、そのひとに両親がお金を払って、乗せてもらっていたんです。あの日、帰宅するので霊柩車に乗ると、運転手がラジオをつけました。記憶するかぎり、彼がラジオをつけたのはそのとき一度だけです。それで暗殺を知ったんです。いつもは無口な運転手が、「こんなことをした野郎はすぐに捕まるし、誰かがそいつを殺すだろうさ」と言い、そのとおりになったわけです。

――ケネディ暗殺について書こうと思ったのはいつだったのでしょう。

SK 1973年、高校教師だった頃でした。題名は『Split Track(分岐する道)』、14ページまで書いたところで筆が止まってしまいました。兼業作家にとっては必要な取材が多すぎ、あの頃のわたしの手に負えるようなスケールの物語でもなかったのです。そこで原稿をしまいこんだのですが、あのとき書き進めなくてよかった、といまは思います。73年の段階では、事件の傷跡はまだ生々しかったですから。

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