現在進行形で活躍しているアメリカ作家で、日本でもっとも有名なのはスティーヴン・キングだと言っていいでしょう(*1)。人呼んで《恐怖の帝王》、《現代最高のストーリーテラー》。その作品のほとんどが映像化され、なかには『キャリー』『シャイニング』『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』など名作も少なくありません。昨年(二〇一七年)には代表作『IT』が映画化され、アメリカでホラー映画史上最大の興行収入をあげ、日本でも『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の邦題で大ヒットとなりました。
『キャリー』でデビューしてから四十年以上、常に旺盛な創作活動をつづけてきたキングですから、いまや長編だけでも四十冊を超えています。さらに合作や別名義による長編、大河小説《ダーク・タワー》、中短編集も加えると、その著作の数は膨大なものとなります。映画『IT』ではじめてキングを知ったというひとや、スティーヴン・キングという名前は聞いたことがあるというひとにしてみれば、「いったいどれから読んだらいいんだ!」と途方に暮れてしまうのも不思議ではありません。
ではどうしたらいいのか。キングをどれから読んだらいいのか迷ったら、まず本書『ミスト 短編傑作選』をお読みになるのが正解です。
本書の多くを占めている中編小説「霧」。これは『ミスト』として映画化(フランク・ダラボン監督・二〇〇七年)され、ネットフリックスによるTVシリーズ『ザ・ミスト』の原作にもなったキングの代表作のひとつです。映画『IT』公開を機に刊行された「ユリイカ 二〇一七年十一月号(*2)」でも、キング研究の第一人者・風間賢二氏と、大のキング・ファンであるマンガ家・広江礼威氏の二人が「最初に読むなら『霧』」と断言しています。
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