2016.08.15 インタビューほか

スポーツとビジネスの幸せな関係を考える

「オール讀物」編集部

山本雅一(株式会社スポーツビズ 代表取締役社長)

スポーツとビジネスの幸せな関係を考える

 八月五日に開幕を迎えるリオデジャネイロ五輪では、アスリートたちの躍動する姿が見られるはずだ。次大会の東京五輪まであと四年――。日本における“スポーツマネジメント”という産業を立ち上げたリーダーの哲学に迫る。

オール讀物 2016年8月号

 大学時代にスキーの選手だったこともあって、「スポーツに関わる仕事がしたい」と考えていました。周囲からは「スポーツ業界じゃ飯は食えないよ」と言われながらも、広告代理店に就職し、中嶋悟さんがドライバーをしていたF1のロータスというチームにスポンサーを付ける仕事をしているときに読んだのが『スポーツビズ スポーツ界のマネー事情』という本でした。

 九〇年代前半は、スポーツで金儲けはけしからんというアマチュアリズムが主流でした。この考えが多数派を占めるイギリスのジャーナリストが、欧米のスポーツビジネス事情をシニカルに描いたのがこの本。「スポーツビズ」は著者の造語で、スポーツ界におけるビジネスのことです。広告代理店の営業マンとして、企業から見たスポーツのスポンサードという一面は見えていたのですが、もっと大きなビジネスになるということを感じて、会社にもスポーツ専門の部署を作るべきだと提言したのですが叶わなかった。このときが九六年。長野五輪の開催が迫っており、仕事を立ち上げるのは今しかないと考えて、会社を辞めて「スポーツビズ」を設立しました。

 幸いにも、荻原健司選手や荻原次晴選手、上村愛子選手らが所属してくれ、アスリートと社会をマッチングさせたいと奔走していましたが、マネジメントのキャリアは不足していると感じていました。そんなとき、あるパーティーで出身高校の大先輩であるホリプロの創設者・堀威夫さんとご挨拶させていただく機会があり、『わが人生のホリプロ いつだって青春』を読んだのです。ホリプロといえば、山口百恵さんらを輩出したエンターテインメントの大会社。マネジメントする仕事を長くしていますと、選手とマネージャーが独立するということもありました。芸能、スポーツとジャンルは違えど、これは経営者にとっては辛い出来事です。ホリプロはどう乗り越えたのか。堀さんは、タレントにくる仕事を調整するだけではなく、新しいビジネスを仕掛けたんですね。スカウトキャラバンもそうですし、舞台「ピーターパン」のプロデュースなど、魅力的なコンテンツを持つことが組織としての求心力になっていくのだということを学びました。

【次ページ】

「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯
城山三郎・著

定価:本体480円+税 発売日:1992年06月10日

詳しい内容はこちら

オール讀物 2016年8月号

定価:980円(税込) 発売日:2016年07月22日

詳しい内容はこちら



こちらもおすすめ
インタビューほか敗北したときこそ、真価が問われる(2016.07.17)
インタビューほか冒険と読書が教えてくれたこと(2016.06.17)
インタビューほか“破壊と創造”を貫き、人々に喜びを(2016.05.15)
インタビューほか本屋を五分歩いて世界一周の旅をしよう(2016.04.15)
インタビューほか働く女性に勇気を与えてくれる本(2016.03.15)