

――読者は本人の写真を見る面白さに加えて、文章も笑わずにはいられないものですが、これは本人になられたときの状態で書かれているんでしょうか?
南 前は本人が降りてくるんですとか言ってたんですけど、嘘です(笑)。まァ理想は、本人の顔そのままで書くことなんですけど、実はそれもしてない。でも、いったんその人になっちゃったら、もう他人じゃないですからね(笑)。
――羽生結弦さんの頁では、本人が本人を「写真がショック。信じらんなーい」などと批判しています(笑)。

南 本人なら、もうそう言うしかない(笑)。事件の主人公に対して、こういう種類の戯れ文てだいたい皮肉な見方で書くのが普通なんですけど、「本人の立場になる」とそういう当り前とは違う考えにならざるを得ないんですよ。李明博になったらどうしたって、対馬、韓国領にしたくなっちゃう。人はそれぞれの立場がないと生きていけないので、とんでもないような考えの本人になったら、とんでもなくなるしかない。ぼくはそういう危険なことをやってるんです(笑)。
――まえがきに出てくる「イチロー」選手は撮影したけれど収録されなかったそうですが。
南 アハハ、ぜんぜん似なかったんです。前にやってできたっていうのがあったからショックでしたね。カメラマンに言わせると「何年前にやったんだ」って(笑)。いまのイチローの顔よりも、もっと若いころをぼくがイメージしてるってのもあるのかなあ。まだ若かったんですよ、やった時は。
――似る似ないの厳しいラインがあるんですね。

南 すごく似てんのに写真のピントがあってない場合カメラマンの許可がおりなかったりネ(笑)。最近は、女の人になるときがキツイですね。上から光があたるとオデコの横じわがはっきりわかる。オデコの横じわってあると女の人に見えないんです。しわがこんなに顔の印象を作るんだってことが最近わかりましたね。こんなことは女の人は百も承知なんでしょうけど。
前にヨン様(『本人伝説』収録)をやったときに、印刷所で肌の感じをちょっと直してもらったらものすごくキレイになっちゃって。これやりだすとキリがないと思って写真いじるのはやめました(前作でどうしてもうまくいかなかった篠山紀信さんのカツラを写真で修正した以外は修正なしです)。ところが今回、壇蜜さんのときに明らかにオデコのしわが決定的にダメで……(笑)。カラーでやったオビの写真だけはいじりました。
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