- 2014.09.10
- インタビュー・対談
消えた仮想通貨を追え!
公安捜査のリアルを描くシリーズ最新作
「本の話」編集部
『警視庁公安部・青山望 濁流資金』 (濱嘉之 著)
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
――最新作『濁流資金』のもうひとつの見どころは、前作まで所轄に出ていた同期カルテットが、人事異動で中央に戻ってきて、これまで横一線に見えた4人の間で、やや“グラデーション”が生じてきています。青山たちの今後も含めて、今回の異動に込めた「意味」をちょっとだけ、解説していただけますでしょうか。
濱 青山と龍は古巣に戻りますが、大和田は人事に、藤中は科警研に転勤となりました。
一見、藤中は「飛ばされた……」感がないわけではありませんが、藤中は与えられた環境を活かすことを心がけながら次第に存在感を発揮していきます。
今回の異動の注目点は何と言っても大和田です。エリートの登竜門である人事第一課の中で表彰・監察担当管理官に就きます。表彰という部門の特殊性に加え、組織内不祥事情報を一手に扱うポジションは組織内情報の集積地でもあります。
事件を離れても高所、大所から組織を見渡すことができる才能を開花していく大和田と、現場でいかんなく能力を発揮していく青山と龍、そして新たなポジションで鑑識実務に精通していく藤中……4人のそれぞれの立場での動きをご注目下さい。
――最後に読者の方々にメッセージがあれば、ぜひ一言お願いします。
濱 どんな組織でも、こと人事に関しては自分自身の意図とは違うセクションに送られることはよくあることだと思います。
与えられた環境を自分でどう判断して、そこでどうするかが、人の資質を高めることになると思います。「運命に生きて運命を活かす」、物事を前向きに考えて生きることもテーマの一つと考えています。
今回の「濁流資金」は前々作と前作同様に前編、後編の構成で書きました。その後の展開を想像しながら一読いただければ幸甚です。
青山、藤中、大和田、龍の4人組が今後どのような道を歩き、警察組織の中でどう成長していくのかをお楽しみ下さい。
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