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傍若無人なマダムの
人生相談名回答

「本の話」編集部

『中島ハルコの恋愛相談室』 (林真理子 著)


ジャンル : #エンタメ・ミステリ

親身になって叱ってくれる人を求めている

 心あたりのある人は読んで恐ろしくなり、若い読者にとっては、きたる人生の参考書にすらなるのではないだろうか。常識にとらわれず、本音で行動するハルコの歯に衣着せぬ物言いには、聖人君子の教えにはない、不思議な説得力があるのである。

 ちなみに、ハルコにはエッセイの読者にはおなじみの、ある実在のモデルがいるのだが、

「エピソードはいくつか実話を使ってますが、相談の内容や答えは私の創作です。私はこんな、ハルコみたいに強く言えないけど、この歳になるといろんな相談を受けるようになってきた。その経験も生きていると思います。

 昔はおばちゃんと言えば“叱る役”でしたよね。今は他人にお説教なんかすればただ迷惑がられるだけで、真正面から人にものを言うことの難しい時代だけど、意外と偉いおじさんが、バーでハルコみたいなママにコロッと参って、嬉々として説教されていたりする。みんな、自分のことを親身になって叱ってくれる人を求めているんだと思うんです。

 これまでエッセイでは書けなかったいろんなことが、中島ハルコというキャラクターによって、溶岩が流れ出るように出てきた感じ。小説は自由だなと思います」

 30年にわたって、エッセイ、小説の両方を書き続けてきた林さんの実感である。

「小説は何を書こうと自由ですが、エッセイは、すぐ非難されたり、批判を受けたりする。家族には、『もう、犬と料理のことだけ書いていればいいじゃない』と言われるのですが、私はお金をもらって書くプロの物書きとして、あたりさわりのないことだけではいけないと思ってます。書きながら、ああ、これは(批判が)来るだろうな、とわかる時もあるんですが、私のエッセイの使命って、世の中に“ちょっかい”を出し続けることだと思うんです。

 人を納得させなければいけない、ネットの無署名記事と同じではいけない。何を書くべきか、常に悩みながら書いています。こう見えて、結構小心者なんですよ(笑)。

 この小説も、普段言いたいことも言えなくて『なんなんだろう自分』と思っている人に読んでほしいですね。叩かれようと自分の言いたいことを言おう、自分の人生って自分しか生きられない、と勇気を出してもらえたら」

文春文庫
最高のオバハン
中島ハルコの恋愛相談室
林真理子

定価:715円(税込)発売日:2017年10月06日

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