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青春×吹奏楽 傑作エンタメ『風に恋う』感想文の競演!

青春×吹奏楽 傑作エンタメ『風に恋う』感想文の競演!

『風に恋う』 (額賀澪 著)

37ページ、異国の地から届けられた音を想像して、思わず鳥肌が立ってしまいました!

文字を奏でると言うのでしょうか。目の前に楽譜や音源が無い「風を見つめる者」と言う曲なのに、最初に届けられた音、千学吹奏楽部が生み出した音、想像しただけで感動して涙が出そうになりました。コンクールの会場の客席に居たら思わず演奏後に拍手と共に「ブラボー!」と叫んでしまいそうですね。(ペンネーム:のりさん)


 この本を読み終えた時、「風に恋う」という題名について考えていた。吹奏楽部のコーチとして千間学院高校に戻ってきた不破瑛太郎。瑛太郎は十八歳の時にホールを吹き抜ける鋭い風を受け、また、指揮者として、出場した全日本コンクールでもホールからの風を受けた。私は、この「風に恋う」という題名は瑛太郎の思いだと解釈した。

「恋う」という言葉の意味は、離れてしまった対象に思いが残り、それに心ひかれて嘆き悲しむという意味と、単純に対象を愛するという意味がある。瑛太郎が十八歳の時に受けた風を前者の意味で、長い間恋いていたのに対し、七年後の全日本コンクールで指揮者として受けた風には、後者の意味で恋いていた。瑛太郎の思いがそう変わったのは、基達のおかげだったのだと思う。

 私は、小学一年生からピアノを習っている。基達のずっと練習していないと気が済まない気持ちが良くわかる。しかし、発表会やコンクールを終えたあとでも、変わらずに日常は続いていく。いつもと同じような日々が続いていくのだ。だったら、もっと先の明るい未来の事を考えていようと、この本を読んで思った。もちろん、発表会やコンクールを軽く見るということではない。そういったものに縛られて、自分の将来や他者への想いなどの大切なことを忘れてしまっていてはダメだということである。どんな出来事も自分の人生においての通過点。そう思って、自分の明るい未来を信じて、強く生きていきたいと思った。(ペンネーム:Hiroさん)

単行本
風に恋う
額賀澪

定価:1,760円(税込)発売日:2018年07月13日

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