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「奇跡のチーム」の4年後、ラグビーワールドカップは日本中に幸せを運ぶ

「奇跡のチーム」の4年後、ラグビーワールドカップは日本中に幸せを運ぶ

文:生島 淳

『奇跡のチーム』(文春文庫) ラグビーW杯開催記念リポート

 新幹線こだまの中でもお祭りは続く。アイルランド・サポーターはどこでも歌うのが好きだから(もっと好きなのはウェールズ人)、新幹線のなかで合唱を始めた。曲はスタジアムで流れていたジョン・デンバーの「カントリー・ロード」。ノリのいい日本人の人たちは唱和していた。

 私はデッキに立っていたが、アイルランド・サポーターの歌声を微笑みながら聞いていたフランス・サポーターがいた。静岡でひかりに乗り換える予定だったので、降り際になって、

“Allez les Bleus!”

 とチャントをしてあげた。これは、「行け、レ・ブルー(フランス代表の愛称)」という意味なのだが、私がチャントすると、フランス人たちはにっこりとしてすぐに乗ってきた。

 かくして静岡駅ホームはアイルランド軍とフランス軍の唱和合戦となったのでありました。それはとても心地のいい時間だった。

【次ページ 人はなんのために働くのか。喜びや、楽しみのためだ。】

文春文庫
奇跡のチーム
ラグビー日本代表、南アフリカに勝つ
生島淳

定価:781円(税込)発売日:2019年09月03日

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