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「奇跡のチーム」の4年後、ラグビーワールドカップは日本中に幸せを運ぶ

「奇跡のチーム」の4年後、ラグビーワールドカップは日本中に幸せを運ぶ

文:生島 淳

『奇跡のチーム』(文春文庫) ラグビーW杯開催記念リポート

数々の名作、名シーンがこれから必ず生まれる!

『奇跡のチーム』(生島 淳 著)

 そしてまた、今回も日本代表に魅せられている。

 ラグビーの試合は、どの競技よりも多くの人間の感覚、思惑によって成立している。両軍合わせて30人が同じピッチに立つのだから、とても複雑なのだ。

 でも、複雑だからこそ面白いのだ。

 想定外のことが起こった場合にどんな動きをするのか、なぜ、そのプレーを選択したのか。試合終了後に話を聞くと、勉強になることばかりだ。30人全員が、プロ野球の捕手並みに様々なことを考えている。

 そしてまた、時間をかけてゆっくり話を聞いていくと、ミステリを読むような謎解きが出来る。

 たとえば、エディー・ジョーンズ氏が率いていた4年前の日本代表は、世界に衝撃を与える数か月前、内部崩壊の危機にあった。

 ドラマ『ノーサイド・ゲーム』に出演した日本代表元主将の廣瀬俊朗氏は、エディーさんから、こんなメールをもらった。

「あなたのおかげで、チームはめちゃくちゃです」

 そうした苦難を経て、「ブライトンの奇跡」と呼ばれる南アフリカ撃破は起きた。

 エディーさんはいう。

「ストレスが大きければ大きいほど、それを解放した時のパワーも大きくなるのです」

 今回のジェイミー・ジョセフ氏率いる日本代表は、あまりメディアには露出が多くはない。だからこそ、語られていない物語がたくさんあるだろうと思う。

 大会が終わったら、選手やスタッフ、首脳陣の声を聞いていきたいと思う。

文春文庫
奇跡のチーム
ラグビー日本代表、南アフリカに勝つ
生島淳

定価:781円(税込)発売日:2019年09月03日

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