「銀行、証券、三菱グループ」
バブル当時を振り返りながら、総会屋業界のスポンサーについて論談同友会の元中堅幹部が豪語したことがある。
「銀行は、カネが商売のタネ。いくらでもカネがある。銀行で受け取ったカネを証券会社に持っていき、膨らませてもらう。三菱グループは清濁併せのむところがあり、我々との付き合いはかなり古い。そのほかにも、デパートなどの流通業や、食品会社などとも良好な関係を保っていた」
「証券業界のガリバー」と言われた野村証券、都市銀行として総資産国内一位を誇った第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、そして、旧財閥系である三菱グループの中核をなすキリンビール、三菱地所、三菱電機……。元中堅幹部の言葉通り、いま挙げたすべての会社が総会屋への利益供与事件で摘発されている。さらに、松坂屋やイトーヨーカ堂といった流通・小売大手、食品会社の味の素に至るまで、誰もが知る大企業でありながら、警察の強制捜査を受け、幹部らが総会屋とともに逮捕されたのだ。
総務担当の幹部らが逮捕されると、多くの企業では記者会見が開かれ、社長が平身低頭で世間に謝罪した。
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