青年医師・立花登の活躍を描いて人気を博した藤沢周平の人気連作「獄医立花登手控え」シリーズ(『春秋の檻(一)』『風雪の檻(二)』『愛憎の檻(三)』『人間の檻(四)』)。主人公・立花登は、新しい医学を修めたいと東北の小藩から江戸へやって来たが、憧れであった叔父・小牧玄庵は、実際は時流から取り残された医者だった。その叔父に押し付けられるようにして、小伝馬町の牢獄に詰めて囚人の病を診る「牢医者」となった登は、持ち前の心優しさと行動力で、囚人たちにまつわる様々な難事を解決していく。
1982年に『立花登 青春手控え』として中井貴一主演でドラマ化された本作。2016年には新たな立花登役に溝端淳平を迎え、NHK「BS時代劇」として放送され話題となった。そして2020年正月、さらに成長した立花登がスペシャルドラマで登場する。
『立花登 青春手控え』は、映像作品で僕が初めて本格的に挑戦した時代劇でした。ずっと時代劇をやってみたいと思っていたので、お話をいただいた時は嬉しかったですね。
脚本や原作を読んで、まず、主人公が「牢医者」であるという設定がおもしろいなと思いました。武士でも商人でもなく、しかも、単に町医者ではなく牢医者も務めているという、かなり異色の設定です。
僕の演じた主人公の登は、行動力があり、頭も切れて、武器を持った相手とも素手で闘う起倒流柔術もかなりの腕前というヒーロー。一方で、ドラマのタイトルには原作にはない“青春”という言葉が入っていますから、演じるうえでは登の若さと、それゆえの葛藤も意識しました。原作ではもう少しクールで色っぽい男なのですが、ドラマでは、もがきながら、成長してゆく姿も出したつもりです。
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