インタビューほか

<相沢沙呼インタビュー>1ページ目を開く前からすでに読書体験は始まっている。

別冊文藝春秋

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』(相沢 沙呼/講談社)

<相沢沙呼インタビュー>1ページ目を開く前からすでに読書体験は始まっている。

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』(相沢 沙呼/講談社)

 ミステリーランキング三冠を達成&本屋大賞ノミネート&吉川英治文学新人賞ノミネートで波に乗り続けている『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』。とにかく無類に面白いミステリーで、「すべてが、伏線」というオビ文句が象徴するように何を話してもネタバレにつながりかねないが、その創作秘話を聞いてみた。

「デビュー以来、自分が書きたいもの、表現したいテーマを出発点として小説を書いていました。そういう僕の作風を愛してくれる読者はいましたが、正直言って本の売れ行きは芳しくなくて、本当に辛かった。転機になったのは、四年前に出した『小説の神様』でした。この小説は幸運なことに版を重ねることができて、そのとき本が売れるってこんなに嬉しいんだと気づいて(笑)。さらに多くの人に手に取ってもらうためにどうしたらよいかと考えた結果、テーマ性は取っ払ってエンタメに徹し、読み終わったあとに思わず人に勧めたくなる作品にしようと」

 物語は、推理作家として数々の難事件を解決してきた香月史郎が、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢うところから始まる。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、霊媒の言葉に証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら事件解決に挑む。一方、時を同じくして連続殺人鬼が世間を騒がせていた。一切証拠を残さない殺人鬼に立ち向かえるのは、翡翠の霊媒の力のみ。しかし、その翡翠に殺人鬼の影が迫る……。

別冊文藝春秋からうまれた本

別冊文藝春秋 電子版30号(2020年3月号)文藝春秋・編

発売日:2020年02月20日


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