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「今村夏子が描く世界は、まさに予測不可能」――最新刊に反響続々!(後編)

「今村夏子が描く世界は、まさに予測不可能」――最新刊に反響続々!(後編)

『木になった亜沙』(今村 夏子)


ジャンル : #小説

『木になった亜沙』(今村 夏子)

紀伊國屋書店広島店 池田匡隆さん

例え著者の名前を知らされていなくとも、読めばこれは今村夏子の本だと分かるだろう。どす黒いユーモアに満ちたニヒリズム。もう“クセ”しかない。(褒めてます。ものすごく。)今村夏子は、こわい。

紀伊國屋書店広島店 藤井美樹さん

どんどん独自の世界を広げていってますね。あれよあれよと日常から非日常へ…。哀しい女の子が、幸福を得た時、同じ仲間が大勢いたことに安堵しました。たとえ彼の死が伴うものであっても。誰かの幸はどこかの誰かの不幸と、思い知った気がします。それにしても今村夏子という作家の進化はすさまじい!見逃してはならない!!

丸善広島店 小林裕子さん

タイトル作品は、ズルズルッと今村ワールドに引きこまれて抜け出せなくなって1時間もかからずに読み終えました。前半の「何これ? たちの悪い呪い?」と思わずにいられない亜沙の“絶望”も、“割りばし”に転生した亜沙の行く末の後半。割りばしの亜沙が出会った若者が、亜沙が初めて口にするシーンが好きです。亜沙の「わーい」が可愛いくて、ハイタッチ&ハグしたい気持ちになりました。それからこの“若者”も『愛する人と長く過ごせない絶望』を抱えていたのではないだろうか?だから、“絶望”を抱えた亜沙をはじめ、彼らが宿ったモノを知らず知らず感じ取り、彼らと過ごす日々が救いで守りたかったのかなと…私の想像ですが。繰り返しになるけど、この短編は1時間もかからず読み終えることができます。でも、1度読み終えたらまた最初のページから、もしくは『もう1度読みたい箇所』に戻されると思います。今村さんの作品は、言葉では伝えにくい不思議な魅力があります。味わえば味わうほど身体に染み込んで、想像や好奇心の翼が広げられていく。それが読んでいてすごく楽しい。今も読後の余韻が続いて想像が止まりません。

ジュンク堂書店広島駅前店 木村麻里子さん

読み終えた今、言葉が見つかりません…。不思議な設定だな、と面白く読んでいましたがこれまでに体験したことのない種類のかなしさを味わいました。とにかく今村夏子さんはすごいなと、改めて衝撃を受けております。何度も読み返してしまいました。(冒頭の広島弁の会話は、思わず笑ってしまいました)

明屋書店MEGA大内店 延永ひとみさん

「執着」という2文字が読んだ後浮かんできました。“食べて欲しい”“捨てられない”“一緒にいたい“執着心が悲劇を生むのかもしれません。うすら怖い作品でした。

単行本
木になった亜沙
今村夏子

定価:1,320円(税込)発売日:2020年04月06日

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