
暴力団対策法や暴力団排除条例は暴力団に大きなダメージを与えた。だが、暴力団は自らを規制する法律を学び、対策を講じながら、今もしぶとく存続している。
一部には暴力団を社会のセーフティネット、必要悪と見る人もいる。だが、それは間違っている。時にましな暴力団員はいるが、良い暴力団員などいない。暴力団壊滅は道半ばだが、壊滅は可能だし、壊滅すべきである。
福岡県警は工藤會と本気で戦ってきた。時にそれは彼らが引き起こした凶悪事件の遠因ともなっているかもしれない。しかし、その戦いを経て、現在の安全な北九州市があるのは間違いない。
私は昭和五十年に福岡県警に採用されて、平成二十八年に地域部長で定年退職するまで、警察官人生の半分を暴力団、特に北九州市を本拠にする工藤會対策に従事してきた。
本書で詳述する福岡県警と工藤會との戦いを通して、現在も全国に残る暴力団と、日本社会がどう向き合っていくべきなのかが見えてくるのではないか。
きれい事で飾った「ヤクザ」ではなく、真の暴力団の姿を、そして暴力団壊滅のために何が必要なのか、一人でも多くの市民に知っていただきたい。
(「はじめに」より)
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