インタビューほか

<武田綾乃インタビュー>人気動画はなぜ圧倒的に見やすいのか? ゲーム大好き作家が描く、ゲーム実況Youtuberのリアル

『どうぞ愛をお叫びください』(武田 綾乃/新潮社)

<武田綾乃インタビュー>人気動画はなぜ圧倒的に見やすいのか? ゲーム大好き作家が描く、ゲーム実況Youtuberのリアル

『どうぞ愛をお叫びください』(武田 綾乃/新潮社)

 アニメ化もされた大ヒットシリーズ「響け!ユーフォニアム」でおなじみの著者、武田綾乃さんの新作は、ユーチューバーとして活動する男子高校生を描いた爽快な青春小説だ。

 主人公は高校一年生の松尾直樹。クラスでも端の方にいる冴えない男子だ。イケてるグループに属する幼馴染の織田博也とも最近疎遠になっている。しかし、ある日その博也から「ユーチューバーやろうぜ」と誘われたことで、直樹の高校生活は思いもかけない方向に転がり始める。さらに二人のメンバーを迎え、男子高校生四人でゲーム実況ユーチューバーとして活動を始めることになるのだ。武田さんは、なぜユーチューバー、しかもゲーム実況を題材にしようと思ったのだろうか。

「ユーチューバーって何年か前までは、『そんなのが仕事になるの?』と懐疑的な目で見られていたと思うんです。でも、いまの高校生くらいの子は、みんなYouTubeもユーチューバーも大好きだし、もちろん私も好きです。学生時代、自分の好きなものを大人がけなしていたら悲しかった。だからなぜ若い人たちがユーチューバーに惹かれるのか、それを小説として正面から描きたいと思いました。あと私はプロフィールに、趣味はゲームと書くくらいのゲーム好きで、執筆するときもゲーム実況動画を流しながらやるくらいどっぷりと漬かっています。自分の大好きなものをめいっぱい書きたいという思いをぶつけた小説でもあります」

 主人公の直樹の役割は、動画の編集。同じ素材動画を使っても、編集する人間の腕次第で面白くもつまらなくもなる、ユーチューバーにとって要の役割だ。どこで動画をカットすればいいのかで悩みぬき、ときには編集に没頭するあまり寝落ちする。そんな直樹の姿に思わず応援の声をかけたくなる。

別冊文藝春秋からうまれた本

別冊文藝春秋 電子版33号(2020年9月号)文藝春秋・編

発売日:2020年08月20日


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