「人生100年時代と言われていますよね。私の人生、こんな楽しくない毎日で終わりたくないのです」
この夫婦はともに40代です。妻は私にこう言いました。
「私、幸せになれると思って結婚したのに、ずっと幸せを感じられないまま、毎日を過ごしてきたのです。私だって大事にされたいし、幸せになりたいです」
この妻は40歳を過ぎたところで、「これ以上、歳をとったら取り返しがつかない」と考えて離婚を切り出したのです。
やはり離婚を考えて、カウンセリングにきた50代の女性はこう言いました。
「私、かわいらしく生きたいのです。毎日、笑って、大事にされているなと感じながら。でも、夫とではかわいらしく生きられないのです。夫はもう、私のことなんてどうでもいいのです。この歳で再婚は難しいかもしれませんが、それでも今のような生活をするくらいなら、ひとりの方が楽しく生活できると思うのです」
多くの夫婦は悩んでいる
「夫と一緒にいても楽しくない」という理由で離婚を考え、カウンセリングにくる妻は決して少なくありません。
「そんなことが離婚の理由になるのか!」と驚く夫は多いでしょう。
「それで離婚するのなら、ウチだって危ないかも」と思う夫も少なくないかもしれません。
「私だって、妻といて、いつも楽しいわけじゃないし、むしろガマンしているのは自分のほうじゃないかと思います」
カウンセリングの場でこう反論した夫もいます。
「毎日が楽しくないなんて当たり前じゃないですか。僕は家族のため必死に働いているのに。毎日、妻を楽しませることなんて出来ません」
その言い分も十分、理解できます。家族のため一生懸命に働いているのは事実でしょう。だから「一緒にいても楽しくない」という理由だけで離婚を切り出されるのは、男性には酷な感じもします。
しかし同じ女性としていえば、この妻の言い分を「ワガママだ」と片づけることはできません。夫には理解できないかもしれませんが、のちほど説明するように、この不満の背後には夫婦仲を左右する大きな問題が隠されているからです。
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