分かりあえば許せる
夫婦の間で不満が生じるのは、お互いの発言や行動の真意が理解できず、気持ちがすれ違ってしまうからです。
夫婦とはいえ、もとは他人だった2人ですから、お互いを理解することは簡単なことではありません。むしろ理解できない部分があって当然です。それは誰しもが分かっていることでしょう。
でも、なぜ自分とは違うのか、どう違うのかが分からないと、相手からぶつけられる不満や怒りを理不尽なものと感じてしまいます。すると、さらにお互いへの不満が募っていき、次第にコミュニケーションを避けるという悪循環におちいってしまいます。
夫と妻がお互いについてうまく理解できない原因は、大きく分けて2つあります。
1つは女性と男性という性差からくる違いです。女性と男性では、物事を認識する方法やコミュニケーションの方法など、いろいろな点が違っています。後ほど具体的に説明しますが、心理テストを受けてもらうと、まったく同じものを見ても男性と女性では反応が違います。そうした違いが、お互いの理解を難しくしているのです。また、その違いには男の子と女の子の育てられ方の違いも大きく関係してきます。
この本のタイトルにあるように、夫のLINEを妻が不愉快に思うことが少なくないのは、いま挙げたような男性と女性の違いがあるため、夫婦がお互いに相手の真意を理解できないからなのです。
うまく理解できない理由の2つ目は家庭環境の違いです。たとえば毎日の夕食は誰と食べていたのか。週末はどう過ごしていたのか。父親と母親の関係は良かったのか、悪かったのか。子どもと父、母、それぞれとの関係はどうだったのか。この違いも私たちの考え方や、ものごとの受け止め方、感じ方に影響を与えています。
いま挙げたような要素が今の「自分」を作りあげているのですが、児童相談所で多くの子どもたちを見てきた経験や、これまでのカウンセリング経験を踏まえていえば、この「自分」を十分に理解している人は決して多くはありません。
私事ですが、私は結婚する前に、いまの夫に心理テストを受けてもらいました。職業柄、お互いの性格や、考え方の傾向、物事の見方などを理解した上で結婚するほうがいいと考えたからです。
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