冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい――表題作の「ばにらさま」をはじめ、光と闇を鮮やかにえぐる圧倒的な6つの物語を収録! 山本文緒ワールド全開の最新短編集が9月13日刊行されます。
今年、山本さんは『自転しながら公転する』(新潮社)で本屋大賞ノミネート、島清恋愛文学賞を受賞されました。今作でも、伝説の直木賞受賞作『プラナリア』に匹敵する吸引力で読者の日常の風景を一変させてくれます。痛くて、切なくて、引きずり込まれる! 傑作作品集をどうぞお楽しみに。
山本文緒さんからのメッセージ
久しぶりの短編集です。
表題作「ばにらさま」を書こうと思ったきっかけは、閉店間際の駅ビルを無目的な白い顔でふらふらと歩いていた美人さんを見かけた時でした。
洋服を次々と物色していてもその目には何も映っていないように見えて、彼女はどんな人なのだろう、どんな時に心から笑うのだろう……と興味を持ちました。
ステレオタイプと呼ばれる女の子達にも、内面にはその人しか持つことのない叫びや希望があるはず。そんなことをテーマにこの小説集を作りました。
どの作品にも「え?!」と驚いて頂けるような仕掛けを用意しましたので、きっと楽しんで頂けると自負しております。よろしくお願い申し上げます。
山本文緒
目次
ばにらさま
わたしは大丈夫
菓子苑
バヨリン心中
20×20
子供おばさん
著者プロフィール
やまもと・ふみお
1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞受賞。21年『自転しながら公転する』が本屋大賞5位、島清恋愛文学賞を受賞。
著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『群青の夜の羽毛布』『落下流水』『ファースト・プライオリティ』『日々是作文』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』など多数。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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