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「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」稀代の悪女か、それとも男社会の犠牲者なのか――『おもちゃ 河井案里との対話』ほか

「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」稀代の悪女か、それとも男社会の犠牲者なのか――『おもちゃ 河井案里との対話』ほか

小泉純一郎、中村喜四郎に続く、政治家独白三部作の完結編。

『おもちゃ 河井案里との対話』(常井健一)

 すらっと伸びた脚と大きな目、最先端のセクシーなファッションに身を包んで政界に登場したときは、マスコミはこぞって「女性政治家の星」として好意的に取り上げた。しかし、史上最大級の選挙違反で逮捕されるや、手のひらを返したように、「稀代の悪女」としてここぞとばかりに叩いた。

 河井案里。

 参院議員として活動したのは二年足らずだったが、世間に大きなインパクトを残した。

 彼女はマスコミの寵児となったが、実のところ、彼女のプライベートをよく知る記者はいない。

 筆者は、当選直後から逮捕されるまで、インタビューなどの取材だけでなく、ことあるごとに電話やメールでやり取りをしてきた稀少な存在である。筆者の手元には、膨大な量の録音、メールがある。

 あらためてそれらを読み返すと、不思議なことに気が付く。

 宮崎で成功した建築家の家に生まれ、慶応大学に進学し、代議士の妻、そして自身も県会議員から参院議員と、これだけ聞くと恵まれすぎた人生のように見えるが、彼女からは、いっこうに幸せそうなようすがうかがえないのだ。

 生きづらい女。

 筆者は彼女の生まれた宮崎を訪れることからはじめ、その人生をあらためて取材してみた。すると、そこには、マスコミで見せた鼻っ柱の強い美人政治家とは別の顔が見えてきた。

 タイトルの「おもちゃ」は、案里のメールにあった言葉だ。官邸も関与したであろう買収事件だから、きっと検察がもみ消してくれる。そんな期待は、黒川東京高検検事長のスキャンダルで吹き飛んだ。

「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」

 河井案里という一人の女性政治家の人生を通して、現代社会における女性の生きづらさに迫る。

くわしく見る


発売ラインナップ (2022/2/6~2022/2/12)

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  • タイトル
    タイムマシンに乗れないぼくたち
    著者名
    寺地はるな
    発売日
    2022/02/08
    作品紹介
    『水を縫う』の著者が送る、心が軽くなる短編集
    人知れず抱えている居心地の悪さや寂しさ。そんな感情に寄り添い、ふと心が軽くなる瞬間を鮮やかに掬い取る。注目の著者が放つ七篇。
  • タイトル
    ふたつの波紋
    著者名
    伊藤比呂美 町田康
    発売日
    2022/02/08
    作品紹介
    問いを放つ。意外な答えに心が波打つ。スリリングな文学問答
    文学の最前線で走り続けてきたふたつの個性が響き合い、反射し、波紋を広げていく。詩・朗読・古典をめぐる痺れるような4つの対話。
  • タイトル
    おもちゃ 河井案里との対話
    著者名
    常井健一
    発売日
    2022/02/09
    作品紹介
    稀代の悪女か、それとも男社会の犠牲者なのか
    美貌の女性政治家として彗星のごとく登場、わずか2年足らずで戦後最大級の選挙違反で辞職。マスコミを騒がせた「悪女」の素顔とは。
  • タイトル
    はなちゃんのみそ汁 青春篇
    著者名
    安武信吾 安武千恵 安武はな
    発売日
    2022/02/10
    作品紹介
    「24時間テレビ」、映画化で相次いだ感動の声
    33歳の母、千恵さんが天に召され13年。父娘はいかに悲しみと向き合ったのか。話題を呼んだ『はなちゃんのみそ汁』からの10年。
  • タイトル
    アキレウスの背中
    著者名
    長浦京
    発売日
    2022/02/10
    作品紹介
    警察庁特別チームと国際テロリストの壮絶な戦い!
    公営ギャンブルの対象となり世界から注目されるマラソン大会の参加者にテロ組織から脅迫状が。ランナーと女性刑事の心の交流を描く。
プレゼント
  • 『踏切の幽霊』高野和明・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2022/11/25~2022/12/02
    賞品 『踏切の幽霊』高野和明・著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

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