- 2022.04.06
- 特集
空前絶後のベストセラー作家・西村京太郎の全軌跡がここにある!
文:「オール讀物」編集部
文春ムック「西村京太郎の推理世界」(オール讀物責任編集)
ジャンル :
#小説
,#エンタメ・ミステリ
本日発売になった文春ムック「西村京太郎の推理世界」。2022年3月3日に逝去した日本ミステリー界の至宝、トラベル・ミステリーや十津川警部シリーズで知られる、西村京太郎さんの作家としての軌跡をたどった一冊です。
西村京太郎さんは1930年(昭和5年)生まれですが、奇しくもその年は小説誌「オール讀物」が創刊された年でした。1963年第2回オール讀物推理小説新人賞を「歪んだ朝」で受賞し、メジャーデビューを果たし、亡くなる直前まで連載していた「SL『やまぐち』号殺人事件」もまた「オール讀物」だったという深い縁から、この追悼号は編集されました。
まず巻頭には長年の盟友として、後輩として西村さんを敬愛する作家の赤川次郎さんと東野圭吾さんからの追悼の辞が掲載されています。続いてデビュー時の選評が再掲載され、選考委員は何と有馬頼義、高木彬光、水上勉、松本清張という豪華布陣でした。もちろん社会派ミステリーとして今なお名作の呼び声高い「歪んだ朝」も全文掲載です。
さらに綾辻行人さんと有栖川有栖さんが、膨大な作品の中から自らの「ベスト5」を選びます。大ベストセラーとなった1978年の『寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』以前、子供の頃から西村作品を愛読していた綾辻さんと、大学時代に夢中になったという有栖川さんは、どんな名作を掘り出してくれたのでしょう? 西村作品のファンはもちろん、これからの読書案内にもぴったりの偏愛トークが繰り広げられています。
そして「オール讀物」に掲載された読切短編の中からは、社会派サスペンスとして「美談崩れ」「見舞の人」、十津川シリーズからは「夜行列車『日本海』の謎」「事件の裏」で4本を掲載。いずれも読みごたえがある作品ですが、長編とはまた異なり、十津川警部の内面にも深く踏み込んでいきます。人間・十津川を存分にお楽しみいただけるはずです。
ほかにも鉄道ファンにはお馴染みの宮脇俊三さん、かつて京都で隣同士に住んでいた山村美紗さん、『聞く力』抜群の阿川佐和子さん、推理作家協会理事長(当時)の大沢在昌さんをはじめ、作家同士の四方山秘話や、日本ミステリーの歴史の中で西村さんの登場を見つめた北村薫さん、北上次郎さん、戸川安宣さんの座談会も掲載。西村さんの偉大な功績を改めて振り返ることができます。
巻末には西村京太郎さんの生涯作品リストを掲載――その数は647作品。この膨大なリストだけでも必見です! ぜひ永久保存版としてじっくり眺めてみてください。
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