書評

寝台急行「天の川」が煌いた頃

文: 小牟田 哲彦 (作家)

『寝台急行「天の川」殺人事件』(西村京太郎 著)

『寝台急行「天の川」殺人事件』(西村京太郎 著)

 国鉄時代から毎月発行されている『JTB時刻表』(国鉄時代は『交通公社の時刻表』)の巻頭に、列車や車両の種類を示す記号の説明欄がある。そこに、流れ星をイメージした「寝台特急」のマークが載っている。平成30年現在、時刻表上でこのマークを冠している定期列車は東京発着の「サンライズ瀬戸・出雲」の1往復しかないのだが、これは昭和40年代後半から国鉄が展開した「星の寝台特急」という広報キャンペーンの名残である。当時、国鉄は寝台車主体で編成された特急列車について、時刻表上の列車種別欄で通常の「特急」とは別のオリジナルマークを付けるなどして、寝台特急のイメージアップを図っていた。

 この闇夜を貫くような流星マーク、かつては白黒部分を反転させて、白地に黒い星が描かれる「寝台急行」バージョンが存在した。最後の定期寝台急行は東京〜大阪間を結んでいた「銀河」で、平成20年3月まで東海道本線を走っていたから、覚えている人もまだ少なくないだろう。「銀河」は長らく、全国唯一の定期寝台急行であった。



こちらもおすすめ
インタビューほか豪華列車「ななつ星」に あの十津川警部も驚いた!?(2015.04.17)
寝台急行「天の川」殺人事件西村京太郎

定価:本体620円+税発売日:2018年06月08日