本日発売の「オール讀物」7月号は、〈ミステリーの星〉と〈第9回高校生直木賞〉。髙見澤俊彦さんの話題沸騰中の長編SF「特撮家族」もいよいよ佳境を迎えています。

今回の夏のミステリー特集の大きな目玉は、強力な読切です。奥田英朗さんの大人気シリーズ、「ドクター伊良部」の最新話「ラジオ体操第2」が巻頭で登場。道尾秀介さんの「その映像を調べてはいけない」と、辻村深月さんの「五年目の受験詐欺」はそれぞれに原稿用紙130枚を超す中編でスリリングな内容はもちろん、ボリューム的にも読み応え十分です。


本誌初登場となる五十嵐律人さんは、司法修習生時代にデビューし弁護士資格を有しています。その知識を存分に活かし、「被告人の噓が見抜ける」という変わり者の裁判官による法廷ものを寄稿。今後のシリーズ化の期待大の作品です。一方、石田衣良さんの「ペットショップ無惨」は、IWGPシリーズ18の最終話。今回もマコトとキングが悪徳ペットショップ業者と対峙、池袋を舞台にどのような決着をつけるのか!? ぜひご自身の目で確かめてみてください。

第9回を迎えた高校生直木賞には、逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』が選ばれました。史上最多となる38校の生徒たちは、どのような議論を重ねて、「自分たちの一冊」を選び出したのか――実行委員会代表の伊藤氏貴さん(明治大学文学部教授)がグラビアとともにレポートします。

逢坂さんだけでなく、候補者の一穂ミチさん、今村翔吾さん、佐藤究さん、澤田瞳子さん、米澤穂信さんによる、エッセイ「高校時代にこんな本を読んできた」や、石井光太さんの教育現場ルポ「国語力を磨く最先端授業」も併せ、改めて<読書体験>の重要性を気づかせてくれる特集となりました。

さらにいよいよクライマックスを迎え、衝撃の展開から目が離せない、髙見澤俊彦さんの「特撮家族」、文藝春秋100周年企画で、門井慶喜さんが手がける創業者・菊池寛の評伝小説「寛(ひろし)と寛(かん)」、さらに澤田瞳子さんや宮城谷昌光さんによる傑作歴史小説、もちろん人気コラムや連載小説も大充実です。

また先日発表になったばかりの第167回直木賞候補作ですが、
河﨑秋子さん 『絞め殺しの樹』
窪美澄さん 『夜に星を放つ』
呉勝浩さん 『爆弾』
永井紗耶子さん 『女人入眼』
深緑野分さん 『スタッフロール』

5人の候補者の全員が、自身の候補作品について語ったインタビューが掲載されています。選考会は来月7月20日(水)、選評や受賞作の抄録は「オール讀物」9・10月合併号に掲載されます。引き続きこちらにもぜひご注目ください!
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