発売から2ヶ月経った今もSNS上で「涙腺崩壊した」「心が抉られすぎてヤバい」など、号泣の渦に巻き込む竹宮ゆゆこさんの最高傑作、『あれは閃光、ぼくらの心中』。
本の話に寄せられた声を一部紹介します。
「胸ギュンでした! 私を救ってくれました」
年齢:22 性別:女性胸ギュンでした! ギュンです!!
嶋と弥勒はお互いを救いあって、そして私を救ってくれました。
此処ではないどこかへ行きたくて、ただただ現実逃避をするように毎日文学やら漫画やら音楽を漁っています。特にやりたいことも生きる意味もないし、突き詰めて仕舞えば弥勒のように簡単に落ちてしまうそんなメンタルの時もあります。
決まって救ってくれるのは、架空の人物で実際には存在しない嶋や弥勒です。出会えてよかった、こういう出会いがまたあるかもしれない、だからまだ生きよう、と心から思います。
エンタメは生きる活力です。
涙が止まらず、この思いを伝えたい、と興奮したままフォームにアクセスしています…。
いつも私を救ってくださりありがとうございます、出版業に関わる全ての人に感謝です。
「めちゃくちゃ泣きました」
年齢:12 性別:女性ほんとに面白かったし、めちゃくちゃ泣きました…めっちゃ泣きました…感動しました…ほんと泣きました…笑ってる2人を見るとほっこりするし、ずっと合わない時でも牛乳を飲み続けてるのが健気で、本当に感動しました…。面白かったです! もう一回よみたいですけど、読んだらもう一回泣いちゃいそうです(笑)
そして8月6日(土)に行われた竹宮ゆゆこさんと岡田育さんの「WEB別冊文藝春秋」のトークイベントでも「クソデカ感情」爆発で盛り上がりました。
エッセイストとして活躍する岡田さんは、
「本当に竹宮さんは世話をやく人を描くのがうまい!! 高校生同士のラブコメでも、劇団員とマネージャーの関係でも、人類ありとあらゆるバージョンで、誰かが誰かをほっとけなくなる瞬間を描くのがうまい。本作では、15歳の嶋と25歳の弥勒、10も歳の離れた男と男が、互いに世話をやき合う様子を描いている。お世話するのは大人の弥勒かと思いきや、その関係は時に逆転していく。汚部屋を掃除する、クリームパンに餌付けされる、散歩に連れ出す、サプライズを仕掛ける……ほっとけない相手と背中を預け合い、そのことによって救い救われる。もちろん登場人物たちは知るよしもないのだけれど、読んでいる私たちは『またほっとけなくなって家事してる!』『今朝もごはんがそこにある!』と過去の竹宮作品を思い返したりもしながら、この新しい男二人に、同じクソデカ感情を見出してしまうのだ」
と思いながら読まれたそうです。
またトークイベントの中で、竹宮さんが本作の創作の秘密を明かしてくれました。
本作について竹宮さんは
「いつも、救いたい救われたい、救ったつもりが救われていたという物語を描きたいと思っています。恋愛小説だとしたら恋愛関係になってハッピーエンドでおしまいという物語ではないところを描きたいですね。今回は男同士ですがBLとか恋愛ではなく、エロスはないけれどもっと大きい愛、クソデカ感情はあるというのを描きたいと思っていました」
イベント最後のQ &Aをご紹介します。
Q 弥勒と嶋が二人でディズニーランドに行くシーンを読んでみたいです。続編の予定はありますか?
「原稿を書いているときに、二人でディズニーに行って『イエーイ』って言っているシーンのイラストが欲しいと担当編集に熱弁をふるいました。もちろん絶対無理なんですけど(笑)。続きを書く予定は具体的にはありませんが、二人でディズニーに行っているところを世界で一番見たいのは私だと思います。すぐじゃなくても、二人がおっさんになってから行くのでもいいですね」
Q この二人のその後はどれくらい意識して執筆されますか? ラストの続きや前日譚というのは設定されていますか?
「書き終わった後の、その先にどういった展開があるのかというのはつい考えてしまうもので、具体的なエピソートが浮かぶ時もあります。書き終わってからもずっとその話の続きを考えてしまって、考えるのをやめようと2、3ヶ月苦しんだあと、ようやく次の仕事をしようと思いきる感じですね」。
Q登場人物のビジュアルを考えますか?
「浮かぶ時もあれば浮かばない時もありますが、今回、執筆している最中からともわかさんのイラストのイメージを思い浮かべて描いていました。まだカバーイラストを依頼できるかもわからないのに。だから、ラフをいただいた時は正気を失って(笑)。絵を見て気を失うって本当に気持ちの良いことだと思いました。とても嬉しかったです」
Q作品ごとに浮かぶビジョンは違うのでしょうか?イラストや映像からだったりするのでしょうか。
「キャラクターのビジュアルとは切り分けて、作品としてのビジョンはやっぱり文字なんですよね。文字で見る会話の応酬が、自分の中で物語の雰囲気を探るときには必要なんです。まずは会話を書いてみる、言いそうな言葉を書いてみる、口調を確かめてみる、考えながら喋らせてみる、喋ったことを文字に書いてみる、書いてみて自分で考える――ということをします。やっぱり言葉から物語を膨らませていきます。映画のように全てが見えてくるという先生もいらっしゃいますが、私の場合は断然文字ですね」
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