- 2022.09.23
- 特集
雫井脩介、最新長編『クロコダイル・ティアーズ』の魅力に迫る。「妻は、夫の殺害を企んだのか」。究極のサスペンスの登場人物&あらすじを紹介。
『クロコダイル・ティアーズ』(雫井 脩介)
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
数々のベストセラーを生み出してきた作家・雫井脩介さんの最新刊『クロコダイル・ティアーズ』が9月26日に刊行されます。
「美しき妻は、夫の殺害を、元恋人に依頼したのか」という疑惑が家族の間に広がる究極のサスペンス。あらすじと、登場人物を紹介します。
【あらすじ】
「息子を殺したのは、あの子よ」
「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」
家族小説、サスペンスの名手である雫井脩介による最新長編。
老舗の陶磁器店を営む熟年の貞彦・暁美夫婦は、近くに住む息子夫婦や孫と幸せに暮らしていた。ところが、息子が何者かによって殺害されてしまう。
犯人は、息子の妻・想代子の元交際相手。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。
息子を失った暁美は悲しみに暮れていた。遺体と対面したときに、「嘘泣き」をしていた、という周囲の声が耳に届いたこともあり、想代子を疑う。貞彦は、孫・那由太を陶磁器店の跡継ぎにという願いもあり、母親である想代子を信じたいと願うが……。
犯人のたった一言で、家族の間には疑心暗鬼の闇が広がっていく。
殺人事件に揺れる一家を襲う悲劇。姑である暁美からみて、「何を考えているか分からない」という想代子の真実とは。
【主な登場人物】
久野想代子(くの・そよこ)
老舗陶磁器店の跡継ぎとなるはずだった夫・康平と4年前に結婚。ところがある日、夫が殺害されてしまう。一人息子の那由太を抱えた想代子は、義父・貞彦の勧めもあり、両親と同居することに。夫を殺害した犯人が元交際相手であったこと、この犯人が「夫殺しを想代子に依頼された」と証言したことで、義母・暁美などから疑惑の目で見られてしまう。
久野貞彦(くの・さだひこ)、暁美(あきみ)
古都・鎌倉近くで、大正時代から続く老舗陶磁器店〔土岐屋吉平〕を営む熟年夫婦。長男・康平を喪ったこともあり、「いつかは、孫の那由太を跡継ぎに」という願いを持っている。また、妻・暁美は、「遺体と対面した想代子が嘘泣きしていた」という実姉からの指摘や、「殺害を想代子に依頼された」という被告人の証言に、心を削られる日々を過ごす。想代子に辛くあたることも。
塚田辰也(つかだ・たつや)、東子(はるこ)夫妻
暁美の実姉である東子は、貞彦が所有する〔土岐屋吉平〕のビルの3階でキッチン雑貨店〔クックハル〕を営んでいる。かつては、航空会社のキャビンアテンダントを務め、そこから銀座の文壇バーのホステスに転身。その後、人気エッセイストとしても活躍した。妹・暁美を心配するあまり、週刊誌記者などを使って、想代子の行動に目を光らせている。夫の辰也は、ギタリストだった頃、東子との不倫関係を経て再婚。楽器店などを経営するが上手くいかず、今は、〔クックハル〕のお飾り店長として日々を過ごしている。
隈本重邦(くまもと・しげくに)
横浜で働いていた想代子と出会って、同棲するも、酔って暴力を振るうことが続き、別れることに。康平と交際中の想代子のもとを訪れていたこともあったが、ついに、想代子の夫を殺害してしまう。
(登場人物の画・ゴトウヒロシ / 単行本装画・粟津泰成)
【プロフィール】
雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)
1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。04年に『犯人に告ぐ』がベストセラーに。同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位となり、第7回大藪春彦賞も受賞した。『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『検察側の罪人』『仮面同窓会』『望み』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』など映像化された作品多数。近著に『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『霧をはらう』など。
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