じわりじわりと迫る第8波を前に知念実希人さんのコロナ禍を題材にした新作が反響を呼んでいます。
自らも内科医としてコロナ診療の前線に立ち続けている知念さんだから描けたリアルがここにあります。
本読みのプロたる書店員のみなさんよりいただいた感想をどうぞ! 読もうかな、どうしようかなと迷われている方は是非参考になさっていただきたいです。
緑川貴子さん(ブックエース酒門店)
やはりそうだったんだ…こんなに大変だったなんて。言葉は尽くせません。知りたかった「あの時、何が起きていたのか?」が克明に知るされていました。
時には登場人物と一緒に思わず泣いてしまう場面もありました。知ってほしい、届いてほしいと願わずにはいられない、つなげていかなくては……!
村上紗季里さん(明屋書店小郡店)
リアルでドキュメンタリーのようだった。新型コロナの最前線で戦ってこられた医療従事者の方々に感謝して、この一冊を多くの方に届けたい。
藤井美樹さん(紀伊國屋書店広島店)
これは知念さんだからこそのリアリティをもった作品だと思いました。報道でも色々ありましたが医療従事者の方へのいわれない差別的な発言があったことも思い出し、ついこの間なのにはるか昔のようでもあり……それに、ウイルスとの闘いはこれからもあることを考えると人の強さと愚かさを忘れてはいけないと改めて提示された気がしました。
こんなパニックや騒動はないにこしたことはありませんが、ノンフィクション小説であり、パニック小説であり、けれども私達自身の物語でありました。
前花祐太さん(明文堂氷見店)
現役医師によるコロナ最前線の描写は圧倒的リアリティが真に迫る。医療従事者は神じゃない。未知を前にして怯え戸惑い間違え立ち向かう私たちと同じ人であるということをちゃんと知るべきだと思いました。この本を手に彼ら彼女らに対して感謝と尊敬の念を忘れてはいけない。
富田晴子さん(未来屋書店有松店)
この二年余りを振り返る迫真のドキュメンタリーを読んでいるような臨場感。一つの時代の記録としても大いに意義のある一冊でした。医療に携わる人達の姿はとてもリアルで血がかよっていて(コロナ死ではありませんが)両親の最期などを思い出してしまって、最初の方は読むのに少し覚悟がいりましたが、それだけ真に迫っている表れであり、患者のために向かあってくれる人達への言い表せぬ感動がわきあがりました。
多くの苦悩や葛藤の中でも尚失われる希望や願い、人々の善意が胸に迫りました。この度は大変すばらしい作品をありがとうございます。
鈴木康之さん(くまざわ書店南千住店)
前代未聞の驚異の新型コロナウイルスとの壮絶な戦いを小説にした見事な作品。やはり現役医師としての知念さんにしか書けない。読んでいてこの作品は後世に残る偉大な作品だと思います。コロナ病棟での医師と看護師の苦しみと悲しみがひしひしと感じました。思わず終息を願いつつ老若男女全ての人に読んでもらいたい感動作です。
奥田祐子さん(くまざわ書店辻堂湘南モール店)
この2年半に医療の現場に何が起きていたのか。時系列で描かれていて、当時を思い出しながら読みました。お医者さまの発信で想像していたつもりでしたが、ちっともかわっていなかった。あちこちで闘ってくださったみなさまのおかげで今があるのだと感謝の気持ちです。自分にできる予防策をしっかり続けることしかできないけれど。病気はコロナだけではないし、そのコロナもまだ終息していないけれど。この経験を今後に生かせるよう、伝えていくためにこの一冊は売り続けたいと思います。
田尻明子さん(紀伊國屋書店佐賀店)
ここに出てくる登場人物の言葉は全て真実で、心が痛い。未知のウイルスとの闘いの最前列に容赦なく立たされ、自分ばかりが犠牲に、周囲との認知のズレによる怒りやもどかしさ。その生々しい様子は読むのも辛かった。
医療に携わっていない私は、本当に何も分かっていない。知念先生の別の物語に出て来る鷹央先生の「常識を捨て、可能性にこうべを垂れるべき」この言葉を借りるとするならば、だからこそ私たちは「常識にとらわれず、真実を受けとめるべき」そういうことだと思う。最後は知念先生らしい厳しくも優しい前向きな気持ちになれる希望の終わり方だった。私は今日も”彼女”が捨てたエチゾラムをロキソニンと共に、頓服で服用しながら、仕事に望むことにする。
井戸佳子さん(啓文堂ポートプラザ店)
これだけの月日をコロナにふりまわされていながら、ばい菌とウイルスの何たるかをわかったつもりなだけだったことに自分でもびっくりしました。この本を読みすすめていくうちに、ああ、あの頃はそうだったな……と頭が整理されてゆくのを感じました。
世界中の人間が経験したこの惨劇を小説というわかりやすい媒体で心にきざんでもらえました。4回目のワクチンを心まちにしながら、この本の発売を楽しみにしています。
莨谷俊幸さん(本の王国 知多イトーヨーカドー店)
コロナウイルスvs医療従事者、この2年余りの壮絶な闘いを現役医師だからこそ、リアルに切実に描かれている。本当に凄まじい命がけの闘いをしていただいていたのだと頭が下がる思いです。精神も肉体もボロボロになりながら、目の前の命を救う崇高な思いに感動と感謝の念に堪えません。
まだまだこれからも戦いは続きます。私達はより一層、感染予防に努めることで少しでもお役に立てればと強く思いました。
香田麻衣さん(TSUTAYA BOOKSTORE - みらい長崎ココウォーク)
あまりに長いウイルスとの戦争に疲弊し絶望し、私達は現状に目を背けているのかもしれない。増殖することをプログラムされた有機機械、まさに機械仕掛けの太陽“新型コロナウイルス”。私達は知るべきだ。あの時医療の現場で何が起こっていたのか、何が人間を壊したのか、醜くしたのか、そして身を呈して救ってくれた人達が多くいた事、その先に今があるという事。圧巻の物語。
これはある意味ドキュメンタリーだと思う。ノンフィクションを超える。人類とウイルスの戦争を描く苦悩、そして見いだされる希望の物語。終りの見えない戦い、でもこれを読んで一筋の光が差し込んだ気がする。
津田千鶴佳さん(本の学校郁文塾)
とても充実した読書時間でした。まさに医療の立場でなければ書けなかった作品だと思います。小説ではありますが、リアリティがありすぎて、読んでいて時には胸がしめつけられ、時には目頭が熱くなりました。
登場する医療従事者に牙をむく者たちに正面をきって放たれた「あなたが感染して受診しても私たちは全力で治療をする」という言葉に胸を打たれました。
駒井伸さん(朗月堂)
医療現場のリアルが伝わってくる。緊張感で胸が苦しい。
医療従事者のみなさん、本当にありがとう。知念さんありがとう。
望月美保子さん(あおい書店富士店)
泣けた。何度も泣いてしまった。この国を、世界を支える医療従事者、全ての人に敬意を払いたいと強く思った。
彼らにも守りたい家族があり、弱音を吐きたい時もある。ただの人間達だ。任せてばかりではいいけない。私達も自覚を持って、感染を防ぐ行動に責任を持つ、協力を惜しんではいけないとさらに念じた。
※本作品の印税の一部は、新型コロナウイルスなどの感染症拡大防止への対応のため、日本赤十字社に寄付されます。
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