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「家族だからこその恐ろしさ」を描いた、雫井脩介『クロコダイル・ティアーズ』。究極のサスペンスに寄せられた感想!

「家族だからこその恐ろしさ」を描いた、雫井脩介『クロコダイル・ティアーズ』。究極のサスペンスに寄せられた感想!

文:第二文藝部

著者が選んだ「美濃焼」プレゼントキャンペーン、結果発表。


ジャンル : #エンタメ・ミステリ

『クロコダイル・ティアーズ』(雫井 脩介)

『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』など数多くのベストセラーを生み出してきた雫井脩介さんの最新長編『クロコダイル・ティアーズ』は、家族の内側に広がっていく、「疑心暗鬼の闇」を描いたサスペンス。そのなかに、モチーフとして美濃焼が登場します。今作の感想を寄せて下さった方の中から抽選で3名に、雫井さん自らが選んだ美濃焼をプレゼントします。その感想をご紹介します。


 雫井さんは今作の執筆にあたって、「美濃焼が持っている様々な表情を通じて、登場人物の人間性を描けるのではないか」と語っていました。読者のみなさんに「美濃焼の魅力を知ってほしい」という願いも込めて、今回のプレゼントキャンペーンを実施しました。

 雫井さんが、美濃焼を感じるために、何度か訪問していたのが、道の駅「志野・織部」(岐阜県土岐市泉北山町2-13-1)でした。ここで、雫井さん自身が購入した美濃焼をプレゼントいたします。

想代子という「魔性の女」に心が揺さぶられた

 本作のストーリーと感想を紹介します。

 鎌倉近くで老舗・陶磁器店を営む熟年夫婦が悲劇に襲われる。跡継ぎになるはずだった一人息子が殺害されたのだ。その犯人は、「妻・想代子のかつての恋人」で、「妻に殺害を依頼された」と主張するのだった。残された家族には、疑心暗鬼の渦が広がる。

 姑は、息子の妻・想代子を疑う。舅は、孫を溺愛するあまり、想代子を信じたいと願うが……。

夫を殺された想代子の涙はホンモノなのか。(イラスト・ゴトウヒロシ)

 想代子は、クロなのかシロなのか――。揺れ動く展開への感想も多く寄せられました。

 てでぃはる(@tediee_h)さんの感想です。

「直木賞候補の『クロコダイル・ティアーズ』読了。猫も杓子も怪しく見える魔性の女っぷりは、『ゴーン・ガール』さながらのハラハラドキドキ! 読者を揺さぶり、二転三転する怒涛の展開にどんどん惹きつけられていくミステリーであり、暗黒ホームドラマの傑作!」

「妻・想代子が、息子の殺害にかかわっている」という姑の立場に共感した方の声が多かったのは、担当編集者としては意外でした。連載中も、「姑の想代子への態度が厳しすぎるのでは?」ということを感じていたからです。

雫井さんらしい「ジワジワ来る怖さ」を堪能!

 アコ(@acopon_)さんからはこんな感想が届きました。

「想代子に悪気はないんだろうけど、想代子の言動によって暁美の不信感が増していき、結果的に色々崩壊してしまうのがホラーでもあるなと思いました」 そして、最後に明かされる真実について、「本当にそのまま受け取っていいのか? 面白かったです」

 mushiko(@mushikoblog)さんは、完全に姑の立場で読んでくださったようです。

「雫井先生らしい『ジワジワ来る怖さ』を堪能しました。私は嫁側の人間ですが、想代子に味方する気にはなれず、完全に暁美の側に立って読んでいました。(中略)一度不信感が芽生えてしまうと、なかなか払拭するのは難しいですね。家族だとなおさら難しいです」

 

 ご紹介させていただいた3名の方に、雫井さんが選んだ美濃焼をプレゼントさせていただきます。

 雫井さんは、「美濃焼の器で、あたたかい飲み物をのみながら、読書を楽しむ時間を過ごしてもらえれば」と話しています。


(想代子イラスト・ゴトウヒロシ/単行本装画・粟津泰成)


雫井脩介さんのインタビュー、ナレーターによる朗読などが「本の話」ポッドキャストでお聴きいただけます。

単行本
クロコダイル・ティアーズ
雫井脩介

定価:1,760円(税込)発売日:2022年09月26日

電子書籍
クロコダイル・ティアーズ
雫井脩介

発売日:2022年09月26日

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