- 2023.02.17
- 特集
「家族だからこその恐ろしさ」を描いた、雫井脩介『クロコダイル・ティアーズ』。究極のサスペンスに寄せられた感想!
文:第二文藝部
著者が選んだ「美濃焼」プレゼントキャンペーン、結果発表。
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』など数多くのベストセラーを生み出してきた雫井脩介さんの最新長編『クロコダイル・ティアーズ』は、家族の内側に広がっていく、「疑心暗鬼の闇」を描いたサスペンス。そのなかに、モチーフとして美濃焼が登場します。今作の感想を寄せて下さった方の中から抽選で3名に、雫井さん自らが選んだ美濃焼をプレゼントします。その感想をご紹介します。
雫井さんは今作の執筆にあたって、「美濃焼が持っている様々な表情を通じて、登場人物の人間性を描けるのではないか」と語っていました。読者のみなさんに「美濃焼の魅力を知ってほしい」という願いも込めて、今回のプレゼントキャンペーンを実施しました。
雫井さんが、美濃焼を感じるために、何度か訪問していたのが、道の駅「志野・織部」(岐阜県土岐市泉北山町2-13-1)でした。ここで、雫井さん自身が購入した美濃焼をプレゼントいたします。
想代子という「魔性の女」に心が揺さぶられた
本作のストーリーと感想を紹介します。
鎌倉近くで老舗・陶磁器店を営む熟年夫婦が悲劇に襲われる。跡継ぎになるはずだった一人息子が殺害されたのだ。その犯人は、「妻・想代子のかつての恋人」で、「妻に殺害を依頼された」と主張するのだった。残された家族には、疑心暗鬼の渦が広がる。
姑は、息子の妻・想代子を疑う。舅は、孫を溺愛するあまり、想代子を信じたいと願うが……。
想代子は、クロなのかシロなのか――。揺れ動く展開への感想も多く寄せられました。
てでぃはる(@tediee_h)さんの感想です。
「直木賞候補の『クロコダイル・ティアーズ』読了。猫も杓子も怪しく見える魔性の女っぷりは、『ゴーン・ガール』さながらのハラハラドキドキ! 読者を揺さぶり、二転三転する怒涛の展開にどんどん惹きつけられていくミステリーであり、暗黒ホームドラマの傑作!」
直木賞候補のクロコダイル・ティアーズ読了。猫も杓子も怪しく見える魔性の女っぷりはゴーン・ガールさながらのハラハラドキドキ!読者を揺さぶる二転三転する怒涛の展開にどんどん惹きつけられていくミステリーであり暗黒ホームドラマの傑作! #クロコダイル感想 pic.twitter.com/BkSx0NGBpt
— てでぃはる (@tediee_h) January 27, 2023
「妻・想代子が、息子の殺害にかかわっている」という姑の立場に共感した方の声が多かったのは、担当編集者としては意外でした。連載中も、「姑の想代子への態度が厳しすぎるのでは?」ということを感じていたからです。
雫井さんらしい「ジワジワ来る怖さ」を堪能!
アコ(@acopon_)さんからはこんな感想が届きました。
「想代子に悪気はないんだろうけど、想代子の言動によって暁美の不信感が増していき、結果的に色々崩壊してしまうのがホラーでもあるなと思いました」 そして、最後に明かされる真実について、「本当にそのまま受け取っていいのか? 面白かったです」
想代子に悪気はないんだろうけど、想代子の言動によって暁美の不信感が増していき、結果的に色々崩壊してしまうのがホラーでもあるなと思いました。最後に想代子視点での気持ちが語られるけれど本当にそのまま受け取っていいのか?とどうしても疑ってしまいました。面白かったです
— アコ (@acopon_) November 28, 2022
#クロコダイル感想
mushiko(@mushikoblog)さんは、完全に姑の立場で読んでくださったようです。
「雫井先生らしい『ジワジワ来る怖さ』を堪能しました。私は嫁側の人間ですが、想代子に味方する気にはなれず、完全に暁美の側に立って読んでいました。(中略)一度不信感が芽生えてしまうと、なかなか払拭するのは難しいですね。家族だとなおさら難しいです」
#クロコダイル感想 雫井先生らしいジワジワ来る怖さを堪能しました。私は嫁側の人間ですが、想代子に味方する気にはなれず、完全に暁美の側に立って読んでいました。読後もどこかスッキリしません…。一度不信感が芽生えてしまうと、なかなか払拭するのは難しいですね。家族だとなおさら難しいです。
— mushiko (@mushikoblog) October 21, 2022
ご紹介させていただいた3名の方に、雫井さんが選んだ美濃焼をプレゼントさせていただきます。
雫井さんは、「美濃焼の器で、あたたかい飲み物をのみながら、読書を楽しむ時間を過ごしてもらえれば」と話しています。
(想代子イラスト・ゴトウヒロシ/単行本装画・粟津泰成)
雫井脩介さんのインタビュー、ナレーターによる朗読などが「本の話」ポッドキャストでお聴きいただけます。
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