作品
コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはツェランを愛読する中国系の男性に出会い、その詩の世界へ導かれる。注釈付き翻訳小説
原点回帰にして到達点。猫、犬、馬、人形など、異質な存在との交歓によって導かれるカタルシス、圧倒的な熱量をはらんだ作品集です。
幽霊の目撃証言が相次ぐ下北沢三号踏切。妻を亡くし傷心の記者・松田はここで若い女性が殺されたことを知り、真相に近づいて行く。
診療所を一代で総合病院にした父と、落ちこぼれだったが天才的な経営手腕を発揮する次男。大病院の栄華と躓き、家族の確執を描く。
妻の視点から稀代の歌人との暮らしぶりを描く表題作をはじめ、鎌倉、室町、江戸期に題材をとった女性が主人公の歴史小説5編を収録。
商人の家系に生まれた結子は、幼い頃からキモチワルイ状況をそのままにはできない。そんな彼女の「問題解決とその調達人生」を描く。
89歳の死の直前まで綴ったピュアな初恋の記憶、死後発見された「死への道程」など、戦後日本を体現した作家のラスト作品集。
主人公馬之助の魅力をご堪能ください。
東京の郊外に住む年老いた夫婦を見守る三人の姉妹。そして母の死はゆっくりとやってくる。昭和に生きた人々の息遣いが聞こえてくる
短篇の名手が、深遠なカタルシスを紡ぎ出す。すべて「書くこと」をテーマに、さまざまな日常の忘れられない瞬間を描いた珠玉の十篇!
戦後間もない昭和26年の冬。小学三年生のすずの家に生まれたばかりの子犬がやって来た。デルと名付けられた犬と家族の真の愛情物語
幼馴染のベーシストの交代を条件にメジャーデビューを決めた葵。音楽の神はますます彼に愛を注ぎ――奪い始める。圧巻のバンド小説。
青森、京都、横浜・・・。思い出の地で紡がれる珠玉の物語集。「光る海」「兄と妹」の2編を収める。
元AV女優にして東大大学院修了の作家・鈴木涼美の、衝撃的デビュー中編。夜の街に立ち込める「死」を描き切る新世代の日本文学。
貧困、基地、軍用地主……「沖縄の暗部」に踏み込み、知られざる本当の沖縄の姿をフィクションで抉り出す問題作!
松井まどか、高校2年生。優しさと気遣いの定型句に苛立ち、肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。
現実こそ正義。好きな言葉は「原価いくら?」の私は、カルト商法を始めようと誘われ――。信じることの危うさと切実さをめぐる8篇。
時は2004年、貫多は小説「けがれなき酒のへど」でついに文壇にデビューする。奮戦する新進作家の日々を描く遺作長篇1000枚。
晴朗な知性に裏打ちされた静謐な筆の冴え。あるときは栄光、またあるときは汚辱。途方もない血族の闇を剔出する自伝的小説集。
「捨てないで、……私を」ラブドールと暮らす男が、生身の女性と恋に落ちた。前途で男を待ち受ける危険と陥穽とは?
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